Mendelsshon ピアノと弦楽のための六重奏曲ニ長調 作品110/
弦楽八重奏曲 変ホ長調 作品20(アマティ弦楽オーケストラ/ダリア・ウズィエル(p))


Brilliant BC93991 Mendelsshon

ピアノと弦楽のための六重奏曲ニ長調 作品110
弦楽八重奏曲 変ホ長調 作品20

アマティ弦楽オーケストラ/ダリア・ウズィエル(p)

Brilliant BC93991 1996-97年録音

 ジル・シャロン(Gil Sharon,1971-羅馬尼亜→以色列) 率いる、知名度は低いけどこれは素晴らしい演奏、音質。
 ほんのこども時代の作品である六重奏曲ニ長調はv-2/va-2/vc/cb/pの編成、初耳だったかも。湧き上がる希望に充ちた傑作はピアノ協奏曲風、八重奏曲 変ホ長調に負けぬ天才の産物でした。Dalia Ouzielは以色列のピアニスト、詳細情報は探せなかったけれど教育者として著名らしい。
 第1楽章「Allegro vivace」ほのかに陰影も漂って屈託のない素直な旋律が華やかに流れるよう。ピアノはデリケートに軽やかでした。Dalia Ouzielは以色列のピアニストらしい。(12:53)
 第2楽章「Adagio」鎮静する弦に囁くようなピアノが呼応する安寧の緩徐楽章。(4:56)
 第3楽章「Menuetto: Agitato」ほの暗く不安に決然としたリズム。その落ち着いた風情は15歳の作品とは思えない完成度。(3:10)
 第4楽章「Allegro vivace」一転、楽天的に晴れやかな表情に走り出すフィナーレ、時に微妙な躊躇いや陰影が効果的。この軽妙な流れの良さは既にMendelsshonの個性を色濃く、ピアノも快い熱気に充ちて、ラストはリズムが変わって暗く劇的な変化に全曲を締め括りました。(10:56)

 八重奏曲 変ホ長調は弦楽四重奏2個分の編成、響きは厚く、誰でも知っている名曲中の名曲。だけど、自分はあまりMendelsshonは聴き込んでいなし、どんな演奏がよろしいのか判断不能、たいてい、どんな演奏を聴いても感動できます。
 第1楽章「Allegro moderato ma con fuoco」先ほど書いた通り「湧き上がる希望に充ちた」始まり。艷やかなヴィオリン際立って、やや前のめりに快活な勢いと熱気に天衣無縫な旋律を堪能できます。(14:09)
 第2楽章「Andante」一転、暗鬱から安らぎへと移り変わる静かな緩徐楽章。やがて情感は高揚して表情は刻々と変化して、この辺り前作とは異なる深淵と熟成が感じられます。(7:13)
 第3楽器「Scherzo: Allegro leggierissimo」単独で演奏会にも取り上げられる、ちょっと寂しげに落ち着かぬ快速ノリノリのスケルツォ。デリケートな抑制も魅惑の楽章。(4:30)
 第4楽章「Presto」前楽章の勢いのまま、ゴリゴリと低弦から走り始めるフィナーレ。刻々と表情を変える細かい音型は息も吐かせぬ快活、優雅な軽妙さを失わぬのがMendelssohnの個性でしょう。(6:22)

(2025年8月16日)

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written by wabisuke hayashi