Mendelssohn 劇音楽「真夏の夜の夢」
(トーマス・ダウスゴー/スウェーデン室内管弦楽団)


BIS-2166 Mendelssohn

演奏会用序曲「美しいメルジーネの物語」
劇音楽「真夏の夜の夢」より14曲
序曲「フィンガルの洞窟」

トーマス・ダウスゴー/スウェーデン室内管弦楽団/カミラ・ティリング(s)/マグダレーナ・リスベリ(s)/スウェーデン放送合唱団(女声)

BIS BIS-2166 2014年録音

 Thomas Dausgaard(1963-丁抹)はDR放送交響楽団とスウェーデン室内管弦楽団の音楽監督を務める旬の指揮者。このオケはモダーン楽器を使用した古楽器アプローチとか。けっこうな録音が出ていて、正直なところどれもクールに洗練され過ぎて、いくつか録音を聴く限り薄ら寒い印象ばかり。もっと燃えるような迫力を!分厚いサウンドに色気を!望みたいところ。上手いけどね。音質は極上。

 最近はそうでもないけれど、一時”Beeやん苦手”(頑迷に威圧感有過ぎ)”浪漫派で聴けるのは室内楽とピアノソロのみ”とか勝手放題云っておりました。Mendelssohn(1809ー1847)辺りは敬遠作曲家の極北、「イタリア」と「スコットランド」をちゃんと聴けるようになったのも最近でっせ、ヴァイオリン協奏曲ホ短調+「結婚行進曲」くらいかな?馴染んでいたのは。「美しいメルジーネの物語」序曲は独逸の民間伝承「土曜メルジーネの姿を見てはならぬ・・・」掟を破って夫ライムントは覗き見てしまい離別、修道院に入る・・・といった古今東西似たような筋書きを題材にしているとのこと。

 これがなんとも牧歌的憧憬に充ちて、湧き上がるような木管も美しく「真夏の夜の夢」前配置として違和感はありません。しっとりとした安寧の旋律が続いて、ダウスゴーのアンサンブル仕上げは繊細緻密なもの。やがて風雲急を告げる弦の細かいパッセージの対比はいかにも、風いつもの個性であります。(10:01)

 「真夏の夜の夢」序曲は大好き!(10:44)物語の始まり筋書きよう知らんけどを予感させてウキウキ、もともと17歳の時に作曲したピアノ連弾曲とか。細かい弦のパッセージ、それに呼応する木管のメルヘン、ヴィヴラートを多用しないクールなサウンドが疾走いたします。テンポは心持ち速め?テンポはあまり動かさず、軽快淡々としたデリケート仕上げに”新しさ”を感じます。編成の小さな薄い響きは各パートの技量をくっきり表出しても、個人的希望としてはもう少々暖かい、厚みと芯のある響きが欲しいところ・・・というのは昔馴染み耳慣れの問題でしょう。「スケルツォ」に於ける木管の掛け合いも緊張感+ノリに充ちたもの。

 「舌先裂けたまだら蛇」女声の存在感ははっとするほどクリア。馴染みの「間奏曲」は流れるような陰影も見事でしょう。「夜想曲」はホルンの掛け合いがシミジミ美しい名曲、この辺りですよ音色の深みに不足を感じるのは、上手いんだけどね。そして大好きな「結婚行進曲」ここが一番めでたくトランペット大活躍!華やぐところ、ここも迫力足りないんじゃないの?(勝手に外野よりヤジ)(4:44)初めて聴くような管楽器のパートもはっきり存在感を主張して新鮮そのもの。(トロンボーンとシンバル登場!)

 あとはラスト迄序曲や「結婚行進曲」の旋律がちょっぴり回帰した後、女声も入ってフィナーレとなります。通常12曲収録される「劇音楽」はいくつかつなぎの旋律を入れて、全体の流れを重視して仕上げておりました。メルヘンな作品。ラスト著名な「フィンガルの洞窟」序曲は佳きクールダウンになって配置に配慮もありました。(9:24)この作品はオモロない、あまり好きじゃないな。途中のアッチェレランドはアツいでっせ。

(2018年12月1日)

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written by wabisuke hayashi