Mahler 交響曲第4番ト長調
(インバル/フランクフルト放響1989年ライヴ)


Mahler

交響曲第4番ト長調

インバル/フランクフルト放送交響楽団/オジェー(s)

(1989年11月9日新宿文化センター・ライヴ)カセットにてエア・チェック→MDへ

 カセット・テープはけっこう値段が高かった記憶がある。ワタシは1980年頃、SANYO C-60のカセット(10本1,000円で売っていたノーマル・タイプ)を沢山愛用しておりました。おそらく、この録音はワタシの残在庫(既に他人にすべて譲ったが)中もっとも良好な音質のもの。自分でも驚きました。もともとの録音も良かったのかな。

 インバルは既にCDで1985年録音していましたね。バブル真っ最中で、大型の編成のオケがバンバン来日したのもこの頃。Mahler はCDというフォーマットに相応しかったのかも知れません。このたび、Mahler 全集が格安で出たので喜んで買ったら、どうも期待値より落ちる印象がある・・・・なんて思っているウチに、第4番迄来たらこれはほんとうによかった。

 これスタジオ録音より4年後のライヴですけど、緻密、神経質、静謐、集中力、アンサンブルの彫琢〜すべて揃っていますね。スタジオ録音とほとんど変わらない。あえて言うと、こちらにはライヴならではのアツさが存在します。第4番は、メルヘンのような暖かい作品・・・・ということになっているけど、インバルの表現はかなりクール。スタジオでは特に。

 ライヴでもそれは変わらないが、実演なりの感興の高まりもちゃんとあって、やや揺れ動く心象もちゃんと感じます。ま、スタジオの完成度の高さもひとつの魅力ではあるけれど。インバルのBrucknerを聴くとことさらに「明快」さを実感するが、Mahler ではそれが当たり前に聞こえるのも不思議。

 フランクフルト放響はその後いかがでしょうか。深み、とか個性はともかく、素直で透明かつスリムな響きが美しい。インバルが抜けたあとはあまり録音もないようだし、どんな様子か教えて下さい。閑話休題。

 最終楽章、クラリネットのため息のようなソロから、やがてソプラノが入るでしょ。スタジオではヘレン・ドナート、こちらライヴではアリン・オジェーなんです。このすこしあとに亡くなっていますよね。これが気品と自然さを兼ね備えた絶品の歌唱。やさしく、そっと、夢見るように歌ってくださいました。静寂を破る鈴を先頭にした全奏も、うるさくならず、抑制があって満足。

 この曲、インバルに合っているのでしょうか。第1/2/3番と聴いてきて「ちょっと暗いというか、抑えすぎというか、辛気臭いか?」なんて感じたが、第4番の控え目な表情は好感が持てます。静かな静かな交響曲。(2003年3月14日)


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written by wabisuke hayashi