Mahler 交響曲第 2番ハ短調「復活」
(バルビローリ/シュトゥットガルト放送交響楽団1970年録音ライヴ)


IMG Artists  7243 5 75100 2 8 Mahler

交響曲第 2番ハ短調「復活」

バルビローリ/シュトゥットガルト放送交響楽団/南ドイツ放送合唱団/ドナート(s)フィニレ(ms)

IMG Artists 7243 5 75100 2 8 1970年録音ライヴ  2枚組@1,490で購入

 これはEMI録音じゃなくて、海賊盤かなにかで出ていたライヴの正式収録ですね。ほかWagner、Elgar、Ravel 、Pucciniなど盛りだくさんの収録。音質良好、Mahler はバルビローリ得意の分野だったし、シュトゥットガルト放送交響楽団との組み合わせも珍しい。「バルビローリはライヴの評価が高かった」との話しなので、楽しみにしていたCDでした。

 これオケがよろしいじゃないですか。響きが明るくて、ハデさはないけれど良く歌って、けっして薄さ・細さを感じさせないのは、イギリスのオケとの違いか。弦も管も暖かい響きで良く歌っているのは、バルビローリとの相性を感じさせます。但し、曲にも指揮者にも慣れていないせいか、時に旋律の末尾のゆったりとした節回しに付いていけず走ってしまうところを、バルビローリが一生懸命とどめている箇所が散見されます。

 考えてみれば亡くなる年の録音で、第1楽章のテンションがなんとなく落ちる気がしますね。優秀なスタジオ録音で慣れているせいか、ティンパニの迫力が足りない印象もあるが、これはライヴ録音故、でしょうか。(終楽章でも同じ感じ)でも、第2楽章以降は文句なし。エンジンが掛かって、熱を帯びてきて、例の如しの歌が溢れます。

 「復活」は、劇的な旋律にあちこちと胸痛むことが多い名曲だけれど、全編、ゆったりとした(じっさいはかなりハード!な)「歌」を感じさせて、美しい演奏だと思います。どうしても金管の華々しい爆発に耳が行きがちだけれど、終楽章中の切々とした弦、木管などに注目しましょう。ホール奥のほうからそっと聞こえてきて、遠い鳥の声、狩りのラッパを連想させます。威圧感はない、さりとて迫力にも欠けない。

 声楽は、地の底から静かに沸き上がるような自然さ。二人のソロイストは知的で、包み込みような優しさを感じました。これがオケとバランス良く溶け合って、これほどの美しさは滅多に経験できません。弦、ホルン、木管、金管〜どれも意味深く、抑制された響き。静かに静かに沈み込んでいく、異色の「復活」。

 ラストは、静かに潮が満ちていくかのような自然な盛り上がりが圧倒的です。最後の最後で、初めて音量が最大値に至るような気がしました。彼のMahler は第9番のみの所有(しかも、ちゃんと聴いていていない)だけれど、ほかの録音も楽しみ。包容力と歌心に溢れた、美しい「復活」でした。


ほかに

Wagner 楽劇「ニュルンベルグのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲(LSO1969年)
Elgar 「エニグマ」変奏曲(ハレ管弦楽団1956年)
Ravel 「マ・メール・ロワ」(ハレ管弦楽団1957年)
Puccini 歌劇「蝶々夫人」抜粋(ローマ歌劇場管弦楽団/合唱団、スコット、ベルゴンツィ、1966年)

が収録されております。いずれも、文句なしの痺れるような演奏ばかり。

(2002年5月10日)


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written by wabisuke hayashi