Mozart ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調
Bach ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV1041他(レオニード・コーガン・ライヴ)


Brilliant 8713-58 Mozart

ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216(1959年ライヴ)

Bach

ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV1041(1962年ライヴ)

キリル・コンドラシン/ソヴィエット国立交響楽団

ヴァイオリン・ソナタ ロ短調BWV1014(1949年)

Paganini

カプリッチオ第9番ホ長調/第23番 変ホ長調(1953年)

Bloch

ニーグン(「即興」Baal Shemより/1947年)

ウラデミール・ヤンポルスキー(p)

レオニード・コーガン(v)

Brilliant 8713-58

 米PIPLINE原盤の旧ソヴィエット音源はものすごい物量、かなりの比率で音質が厳しい、しかも無定見な寄せ集めなのも特徴です。Leonid Kogan(1924ー1982烏克蘭)はオイストラフと同郷、旧ソヴィエット系の名手は短命ですよね、食生活や強い酒がよろしくないのか。寒いみたいだし。閑話休題(それはさておき)いつまでも音質状態よろしからぬ昔の音源ばかり聴いても仕方がない、整理点検を進めていたら、この一枚に引っかかってしまいました。この人は強靭なテクニック、硬質凛とした音色が魅力と思います。

 Mozart/Bachの協奏曲は1960年前後のライヴ、概ね事前予想通りのやや粗い音質、コンドラシンのオケはていねいな表情付けにちょっぴり重い。天翔ける我らのヴォルフガングは明朗闊達晴れやかな表情の名曲、19歳ザルツブルグ時代のもの。芯を感じさせるヴァイオリンの音色は朗々と歌って硬派に端正であります。第1楽章「Allegro」のカデンツァの見事なこと!(9:17)、第2楽章「Adagio」は陶酔のロマンティックに雄弁(8:05)、そっと囁くように始まった3楽章「Rondeau」はキレキレのテクニックに、入念な味付けはデリケートでした。(6:28)必要以上に構えを大きくしないのも、ウェットになり過ぎないものよろしい感じ。

 Bachのほうはこの半世紀にもっとも演奏スタイルが変わったもの。テンポ設定はやや遅めなのは時代を感じさせるかも知れません。しっとり優しい第1楽章「Allegro」には力みもなく淡々として(4:20)緩徐楽章である第2楽章「Adagio」はたっぷり優雅でも濃すぎない。(7:20)第3楽章「Allegro」も慌てず、順々としたニュアンスはやはり時代でしょう。(3:59)けっして時代錯誤に非ず。

 もの哀しいヴァイオリン・ソナタはいかにもSPっぽい音質(悪くはない)。4:49-3:21-4:35-3:46、ポルタメントも時代でしょうか。硬質凛とした音色とはこのこと、表情はやや深刻にウェットでした。第2楽章「Allegro」は今どきの演奏ならもっとリズムは弾んで躍動したいところ。全体に旧き良き濃密な風情を堪能できます。

 Paganiniのカプリース第9番(3:04)第23番(5:41)はちょっぴり音が痩せておりました。華麗なる技巧は見事だけれど作品組み合わせはムリムリっぽい。Blochは初耳だったと思います。かなり濃密な民族色を感じさせる、たっぷり濃厚な作品でした。初演は1923年とのこと。コーガンのテクニックを堪能できる作品でした。

(2020年5月9日)

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written by wabisuke hayashi