Bruckner交響曲第3番ニ短調(クナッパーツブッシュ/ウィーン・フィル)


クナッパーツブッシュ/ウィーン・フィル Bruckner 交響曲第3番

Bruckner

交響曲第3番ニ短調

クナッパーツブッシュ/ウィーン・フィルハーモニー

PALLADIO PD4111(とジャケットに書いてあるが、CDにはANDROMEDA ANR2511との表記?)1954年録音  800円で購入

 会社の関係がよくわからん。CEDARと裏面にはあって、最近DATTONを出している会社ですかね。(なんというボケ、shiraiwa様の情報により、いわゆる歴史的録音の復刻技法とのこと)いずれにせよDECCA録音の海賊流用。音質良好。トラックごとの時間表示も、解説もありません。(Brucknerが好きなわりに、版のことには暗いワタシ)

 買ってからしばらく放っておいたCDですが、凄いですね。彼としては、細部のアンサンブルも含めて完成度の高い方じゃないでしょうか。

 音に厚みとコクがあって、ここぞ、っと云うところの低音のえぐりの迫力。第1楽章を聴き始めて「こんな曲だったっけ」と思うほど、いままで聴いた演奏とは違っています。巨大な造形。どこも旋律が切なく歌っている。押し寄せる恐ろしい高波と、ひとときの安らぎ。その対比に存在する「間」の深淵。乱れるホルンの深さ。弦のすすり泣くような魅力。

 アダージョの無骨な歩み。彼なりに、細かいニュアンスを精一杯付けているんでしょうけど、線は太いんですよ。自然体で、飾りはないけれど、オケの音色の魅力もあって説得力が凄い。

 スケルツォも、冒頭の短い低弦のピツィカートから不気味。確かめるような重量感のあるリズム、優しい旋律における精一杯の歌。くっきりとしたテンポの描き分け。

 フィナーレの、ややゆっくり目のテンポの説得力。まるで、深呼吸をするような、あわてずさわがずの歩み。ワルツのやさしさ、細やかさ。ここへきて、はじめて金管の絶叫が聴かれますが、うるささは皆無。マイルドで厚みがあって、微妙にズレていて、最高。スケールの大きさは極限に。

 優秀なオケにありがちの「上手すぎて、安易に音が出てしまう」ような世界とは無縁ですね。オケのどのパートも意味深く、コクのある音色を堪能できます。音の状態がよい、といってもモノラル録音ですからね、これだけの説得力には驚かざるを得ません。

 実は、スクロヴァチェフスキの新しい録音との聴き比べで取り出したのですが、ちょっと間をおかないとヤバいかなぁ。「クナのBruckner」というと決まりもんみたいで、遠慮気味なんですが、こう凄いと集めたくなって困ってしまいました。


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written by wabisuke hayashi