Mozart 「リンツ」/Brahms 交響曲第2番ニ長調
(カルロス・クライバー/ウィーン・フィルハーモニー)


FMエア・チェック Mozart
交響曲第36番ハ長調 K425「リンツ」

Brahms
交響曲第2番ニ長調 作品73

カルロス・クライバー/ウィーン・フィルハーモニー(1988年3月20日ライヴ)

 とうとう自分用のMDデッキを買ってしまいました。いつのまにか世間がMD時代になってしまったのと、(DATは出てすぐに買ったけど、ちょっとハズしたな。DCCよりマシか)その昔、熱心だったエア・チェック・テープの保存状態が心配だったせいもあります。MDの音は固くて、いかにもデジタル臭い、奥行きの少ない感じですが、それでもカセットよりはマシでしょう。カセット→MD化永久保存計画の第1号にはクライバーを選択。ワタシもミー・ハーなところがあるんですよ。

 MDに慣れるため、丸一日いじっていましたが、いざカセットを久々に取り出すと音質がずいぶんと劣る印象。そもそも何度も使った古いカセットだったし、もしかしてカセット・デッキのヘッドの汚れかな?と掃除もしてみたけど、こんなもんだったんでしょ、もともと。音楽を聴いているうちに、ま、気にならなくなりました。

 クライバーは人気は高いものの、録音が少なくて(演奏会そのものも少ない)、海賊盤の嵐。マイナー狙いのワタシとしては珍しく、一貫して支持。そんなにたくさんは聴いていないけれど、Beethoven のハ短調交響曲も、「トリスタン」も素敵でした。安く手に入れた「大地の歌」(海賊盤〜音質悪すぎ)はそれなりとしても、FMから録音した「英雄の生涯」が、キリリとして興奮しましたね。(あれ、たしかSONYから出る予定で宣伝までしていたけど、お蔵入りしたはず)

 さてMozart 。25番からあとの交響曲はホント名曲揃いだけれど、満足できる演奏は意外と少ないもの。とくに「リンツ」は、まっすぐでシンプルな曲想をいかに表現するかは至難のワザでしょう。

 いつものように「アンサンブルややズレ」状態。細部の彫琢より音楽のうねり、というか流れ重視の姿勢でしょうか。演奏会の最初の演目なのか、やや手探り状態ながら、リキみとか、不自然さとは無縁の優雅な演奏。弦のすすり泣くようなヴィヴラート最高。こういうのを聴いていると、「古楽器論争」はほんとうに空しい。オケの懐の深い響きを生かしながら、余裕さえ感じさせます。だんだん、音楽が高揚していくのが手に取るようにわかる。

 どの部分が、とか、楽章が早い、遅いとかあまり気にならない。う〜ん、中庸です。いや、自然と揺れるテンポか。そんなこと、どうでもいいんですよ。

 Brahms はもっと凄い。ツボにはまった時のクライバーで、ひとつひとつの音のテンションの高さ、旋律の高潔な歌、そっと囁くような抑えに抑えたところと、爆発するところの圧倒的高揚。揺れるテンポの説得力。呼吸の深さ。オケの美しさ全開。後半に行けば行くほどアツくなって、終楽章の怒濤のラッシュには口もきけないほど。(当然、ものすごい拍手、ブラヴォーの嵐)

 この人、部分々々の技術的な問題を忘れさせてくれます。「黙って聴けば、ピタリと感動」〜音楽そのものの楽しみを、ダイレクトに伝えてくれて嬉しくなりました。

(2000年6月24日更新)


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written by wabisuke hayashi