一年ぶり、年に一度の登場であります。”安いCDしか買わない”と迷言している某クラシック音楽サイトが存在するらしいが、クラシック音楽CD業界そのものが”オール廉価盤化”している現状では、その基本姿勢たるや笑止千万であります。貧しい小遣いから(煙草吸わんけんね!と言い訳しつつ)湯水の如く安物CDを(嬉しそうに)買い集めてくるから、ビンボー人は質が悪い。
百歩譲って、有名無名一流二流演奏家知名度問わないことにしましょう。でも、200円500円でCDを買ってしまうから、いつまでたっても日本経済は完全には不況から立ち直れない。迷走するPSE法でミソを付けた政府は、「音楽芸術価値適正化法案」の国会通過を捲土重来とばかりに狙っているのは、まったく正しい姿勢であります。
つまりクラシック音楽という高尚なる芸術には、正しい価値価格で評価すべきである。演奏会はプロであれば最低価格壱万円(税込)、アマチュアは最低伍千円(税込)也。CDの最低価格も一枚伍千円(税込)以上(中古販売は参千円以上)と定められる・・・法案であります。素晴らしい。ちなみにCDR、DVDコピーは徹底的に取り締まられ(罰金一枚当たり壱万円)、通報(密告)者には報奨金が支給されます。(一枚当たり250円・・・おお、これでBOOK・OFF出物が買えるではないか!)これにより、我が国の芸術水準は一気に高まることでありましょう。
CD一枚伍千円以上だったら、もっと音楽に対して真摯に向き合うこと必定であります。事実、1950年代「LP一枚が初任給の半分であった!」時代の音楽愛好家は、もっと真剣に(LPを買うこと、聴くことが一大イヴェント!であった)音楽に接していたのです。そういった意味では今回の法案もまだまだ生温くて、「CD一枚伍万円以上」を目指すべきであります。「絶対失敗できない」「一度買ったらしばらく買えないから、この際とことん聴いちゃう!」的一発勝負となります。人生、こうでなくっちゃ。
ビンボー人は飲まず食わずで小遣いを貯めるから、必然的にダイエットとなり、成人病予防/総医療費抑制へと社会貢献することでしょう。また、酒を飲みに出掛ける余裕も(当然)なくなり、必然、帰宅も早まって健康かつ家庭(崩壊ならぬ)円満へとつながります。(一発狙いのギャンブルに走るバカはいるかも知れぬが!)
つまりクラシック音楽は”選ばれたものだけが楽しめる、希少価値なる芸術である”という真理を明確にせよ、ということです。
廉価盤は全廃せよ!
■西園寺侘麻呂(2006年4月1日)