Khachaturian バレエ音楽「スパルタクス」 組曲第4番/
仮面舞踏会/サーカス
(アンドレイ・アニハーノフ/サンクトペテルブルグ交響楽団)ほか


NAXOS 8550802Khachaturian

バレエ音楽「スパルタクス」 組曲第4番
仮面舞踏会(以上1994年)
サーカス(1993年)
アンドレイ・アニハーノフ/サンクトペテルブルグ交響楽団

舞踏組曲

ドミトリ・ヤブロンスキー /モスクワ交響楽団(1995年)

NAXOS 8550802

 これはAndre Anichanov(1965-露西亜)による組曲「スパルタクス」録音の続編。一時、経済の混乱の乗じてNAXOSが露西亜や東欧の珍しい団体による録音を意欲的に続けていたけれど、現在の政治情勢ではムリでしょう。

 これは著名なフィルハーモニーに非ず、ニ番手オケである交響楽団。これが分厚くも無骨、泥臭い響きがなかなかの迫力でした。ワン・パターンだけど、その作品も期待を裏切らぬ濃厚にクサい魅惑の旋律が押し寄せます。響きがちょっと濁る?ような音質だけど、おそらくはもともとこんなサウンドなんでしょう。低音の迫力は充分。

 ローマ時代に題材を取った「スパルタクス」は1955年のバレエ音楽全曲よりの組曲、らしいけれどWikiによると第3組曲迄しか存在しない・・・この第4組曲は別途1967年に加えられたものとのこと。「ガイーヌ」と並んでAram Khachaturian(1903-1978卓爾治亜/亜美尼亜人)の代表作、とのことだけど、知名度や演奏機会は落ちると感じます。泥臭い哀愁の旋律と激しいリズム連続して、血湧き肉躍る!賑やかな作品でした。実演では体力勝負の激しい動きなんだそう。

 Bacchante's Melancholy Dance(4:15)Spartacus Procession(3:43)Death of the Gladiator(4:39)Call to Arms - Spartacus' Uprising(3:47)

 じつは「仮面舞踏会」は大好きな作品、これが聴きたかった!劇音楽14曲から編んだ組曲は人気作品、演奏会のアンコールにもよく使われる二管編成(チューバも打楽器も多彩にグロッケンシュピールも入る)「黒蜥蜴」(美輪明宏)にワルツが使われて一般に知名度は高い作品でしょう。
 これも濃い表情に骨太の演奏でした。

 Waltzは切ない興奮が妖しくルバートして押し寄せます(4:12)
 Nocturneは切ないヴァイオリン・ソロが甘く歌い(3:54)
 Mazurkaは大仰な表情の波蘭舞踊には哀愁が漂う(2:47)
 Romanceはトランペット・ソロが印象的な優しい嘆き。(3:12)
 Gallopは賑やかに剽軽、重量級のアクセントに変拍子がオモロいところ。(3:14)

 以下、なかなか録音を見掛けぬ珍しい作品収録。
 Circusは1957年の作品とか、元気いっぱい、賑やかに打楽器や金管炸裂!勇壮に破茶滅茶な興奮に充ちた楽しい(喧しい)作品。俗っぽさ極まってデーハー、これは唯一無二の個性でしょう。(12:59)
 舞踏組曲は亜美尼亜の旋律リズムを多用した1933年の初期作品とか、Khachaturianの個性はこの頃から変わらぬパワフル。Moscow Symphony Orchestraは1989年に創設された新しいオーケストラ。こちら音量レベルがちょっと落ちて、そのせいかちょっぴり大人しいスケールや色気が足りぬ印象でした。Dmitry Yablonsky(1962-露西亜)はもともとチェリストだった人。

 Trans-Caucasian Danceは不安にリズムが変化する始まり(2:59)
 Armenian Danceは大仰な付点のリズムがオモロいもの(5:09)
 Uzbek Dance Tuneは優しく落ち着いて静謐(10:14)
 Uzbek Marchここはなかなかの打楽器アクセント(3:29)
 Lezghinkaこちらのレズギンカは「ガイーヌ」とは別物。これもズシリとした重いリズムでした。(3:01)

(2026年9月19日)

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written by wabisuke hayashi