Orff 舞台形式によるカンタータ「カルミナ・ブラーナ」
(ヘルベルト・ケーゲル/ライプツィヒ放送交響楽団/合唱団/少年合唱団)



BerlinClassics  0031202BC/処分済edel 0002332CCC
Orff

カルミナ・ブラーナ

ヘルベルト・ケーゲル/ライプツィヒ放送交響楽団/合唱団/少年合唱団/ヴルピウス(s)/ロッチュ(t)/レーム(br)/ヘーベントール(b)

BerlinClassics 0031202BC 1960年録音 890円で購入→オークションにて処分
edel 0002332CCC 15枚組ボックスで再購入4,480円

 2006年よりCD在庫の本格的処分(オークションにて)した挙げ句、順繰りバラで集めていたケーゲルをボックスで再購入しました。主たる理由はScho"nbergの「グレの歌」と「モーゼとアロン」が欲しかったため。「カルミナ・ブラーナ」はLP時代ストコフスキー以来のお気に入り作品だけれど、未だ入手できず、プレヴィン(旧)盤もヨッフム盤も処分済。手許にはケーゲル新旧盤が残されるのみ・・・と、思ったら棚中よりリコ・サッカーニ/ブダペスト・フィル(2002年ライヴ)が出現しました。(未聴)ま、何種も必要としません。とくにこの1960年録音があれば、不足感はないんです。

 7年ぶりの再聴だけれど、昔の印象と寸分違わない〜鮮明鮮度タップリなる迫力録音、アンサンブル(特に合唱声楽)の集中力の高さ、繊細さに感銘深く受けました。子供の頃に聴いたストコフスキー盤が刷り込みだけれど、CD時代に入ってこればかり聴いていたせいか、こんな演奏が標準だろう・・・ところが先日、エルンスト・ヒンライナー/ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団/合唱団を(偶然)入手したら、10枚組(”CORPUS CHRISTI” DOCUMENTS 231061)そのなんとも素朴で飾りのない世界、へろへろの演奏のようにも聞こえ(とくに管弦楽)暖かい合唱には味があるようにも感じないでもない・・・残響少なく、人数も多くはない。なんともユルい雰囲気満喫・・・

 つまりはケーゲル盤と対極の世界が広がっておりました。こちら、躍動を強要しているかのような、強面で怒りの爆発が連発して、ひりひりするような緊張感有。とくに合唱の、叩き付けるような怒濤のラッシュには筆舌に尽くしがたい威圧を感じました。じつは1974年録音の再聴を考えていたが、記憶では旧録音ほどの徹底はなかったような・・・?怖くて棚中よりCDを取り出せません。

 この作品にはいろいろと考えさせられます。まず、言葉の意味合いがまったく理解できないこと。翻訳を拝見すると、なるほど本音で”生命(いのち)の悦び”を歌っている(ここでは叫んでいる感じ)雰囲気は(言葉の意味合い抜きに)ちゃんと伝わっております。旋律は”Beethoven 的古典”方面とは異なって、整然としたものではなく、雑然と激しい暴力的なものだけれど、むしろ現代には精神的にフィットするのでは?と思います。とてもわかりやすい。

 第2部 In Taberna 居酒屋にて〜「Estuans interius 激しい怒りを胸に秘め」のバリトンなんて「イヨマンテ」でっせ、まるで。(若い人は知らんか。ワタシでも子供時代、既にナツメロだったから)「Olim lacus colueram 昔、私は湖に住んでいた」のファゴットは「春の祭典」ばりであり、テナーの唱法は特殊です。(失敗したカウンターテナーみたい/大家ロッチュ先生だから、ワザと、です)これはなんとも怪しい。前半のやや高尚なる内容から、後半は本音、怒り、若き男女の営みへの賛歌になっているんですね。

 「Ego sum abbas 我は大修道院長様」の打楽器炸裂と、合唱の掛け合いの衝撃的なこと!(試しにトラック13だけ聴いて見られよ)「In taberna quando sumus 居酒屋にいるときにゃ」に於けるシンプルな合唱旋律に絡む打楽器のド迫力を聴け!・・・て、例示を上げていったらキリがない。ワタシは第2部(男声大活躍!)推奨です。

 第3部 「Cour d’amours 愛の誘い」(女声主体で優しい感じ/少年合唱も可愛らしい)を経て、ラスト(冒頭の)「O Fortuna おお、運命の女神よ」が回帰しました。こりゃ、ライヴだったら楽しいだろうな。

(2007年8月17日)


 血沸き肉踊る、お祭りのような興奮に満ちた名曲。生命の根元を表現したような、エネルギーの固まり。1960年代の怪獣映画で、南洋の現地の人たちの踊りに使用されていたようなイメージのある音楽。(たいていは日本人が顔を黒く塗っているだけだったが)ワタシ、中学生時代になにを勘違いしたか、ストコフスキー/ヒューストン響のド派手LPに入れあげて、悦に入っていました。(生意気なガキ)こんな楽しい現代音楽って、ほかにあるでしょうか。

 録音が出色の鮮明さで驚き。1960年前後の録音でしょ?信じられない。この時期に、大きな合唱を含む難しい録音をこなしてくれたのは嬉しい限り。打楽器や金管の、腹に響く力強い音も充分すぎるほどの効果。切れ味。

 ウワサにはきいていましたが、この演奏は凄い。変拍子の複雑なリズムのハジけるような爆発、合唱の圧倒的な絶叫とテクニック、静かな部分の抑えた緊張感。ソロの立派な歌声(ロッチュて、むかしテナーだったんですね)。
 それらが絡み合って、ピタッと決まって、手に汗握る興奮状態に突入。怒りを叩きつけるような、怒濤のラッシュ。

 ケーゲル特有のタテノリの厳しいリズム感が、最高の状態でハマっています。冷たく不機嫌なのはいつもながら、「燃えるような冷徹さ」といいましょうか、「憤怒の祭典」とでも呼びましょうか。アンサンブルもこれ以上ないキマリ方。ライプツィヒ放響って、こんな充実した音でしたっけ?言葉なんか、なにもわからないんですけどね。そんなことはまったく気にならない。黙って聴けば、ピタリとわかる。

 これは旧録音だそうで、「3部作」の入った新しい録音の2枚組は未聴です。いずれは手に入れたいもの。(その後、1974年録音を入手済み/BC 2047-2) (2000年7月16日更新)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi