J.C.Bach 歌劇「シリアのアドリアーノ」序曲/
大序曲 変ホ長調 作品18-1/ 交響曲 ト短調 作品6-6/
協奏交響曲 ハ長調/大序曲 ニ長調 作品18-4
(サイモン・スタンデイジ(v)/
アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック)


CHAN0540J.C.Bach

歌劇「シリアのアドリアーノ」序曲
大序曲 変ホ長調 作品18-1
交響曲 ト短調 作品6-6
協奏交響曲 ハ長調*
大序曲 ニ長調 作品18-4

サイモン・スタンデイジ(v)/アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック/*レイチェル・ブラウン(fl)/フランク・デ・ブライネ(ob)/デイヴィッド・ワトキン(vc)

Chandos CHAN0540 1993年録音

 Simon Standage(1941-英国)はイングリッシュ・コンサートの創立メンバーの一人。クリストファー・ホグウッドが率いた古楽器アンサンブルにも客演を重ねたようです。日本ではまったく人気のない大Bachの末子(1735-1782独逸→英国?)の作品は我らがMozartの若い頃、爽やかな快活にクリソツ、ロンドンでは当時大人気だったそう。こどもの頃、17cmLPに聴いたエドゥアルド・ファン・ベイヌムのシンフォニアがJ.C.Bachとの出会い、それはお気に入りでした。

 これは音質もアンサンブルも軽快に極上。

 Opera「Adriano In Siria」Overtureは三楽章のイタリア風序曲=シンフォニア。爽やかなフルートと控えなホルンが活躍して、軽妙に陰影ある風情がマイルドに躍動します。「Allegro Con Brio」(3:17)「Andante」(2:31)「Allegro Assai」(0:59)

 「Grand Overture in E-Flat Major, Op. 18, No. 1」は堂々たる風情。ティンパニやオーボエも加わりました。フルートはないかも。「Spiritoso」躍動する下降音型が印象的、スケールはけっこう大きい。(4:58)「Andante」は三拍子のアルペジオのような音型が優雅な緩徐楽章(6:39)「Allegro」フィナーレは牧歌的にウキウキするような躍動でした(2:09)

 「Symphony in G Minor, Op. 6 No. 6」は管楽器はオーボエのみ?「Allegro」はHaydnの疾風怒濤風な緊張感。(3:42)「Andante Piu Tosto Adagio」緩徐楽章は静かな弦の詠嘆が続くところ。ここは弦のみ(8:51)「Allegro molto」ここは劇的に情感豊かなフィナーレでした。なかなかの名曲。(2:27)

 「Sinfonia Concertante in C Major, W. C43」著名なMozart、Haydnなど、この時期には複数のソロが軽妙に掛け合う協奏交響曲のスタイルが流行っていたそう。ヴァイオリン、チェロ、フルート、オーボエはジミな音色に、ソロとしてあまり華やかに突出しません。「Allegro」はワクワクするような明朗に快活な始まり。ソロは色彩の厚みを感じました。(7:27)「Larghetto」ソロが晴れやかに歌い交わして優雅に牧歌的な緩徐楽章(6:08)「Allegretto」ノンビリとした符点のリズムに弾むフィナーレ。フルートの活躍がとくに目立ちました。(4:55)

 「Symphony in D Major, Op. 18, No. 4」これもティンパニ入り。管楽器はトランペット、フルート、ファゴットかな?堂々たる歩みにアクセントしっかり始まる「Allegro Con Spirito」(4:22)「Andante」淡々としてフルートの響きが爽やかな緩徐楽章。ここはティンパニなし。(3:49)「Rondo. Presto」快活なリズム感に疾走するところ。ほんのちょっぴり陰も感じさせます。(2:41)

(2025年11月15日)

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written by wabisuke hayashi