Janacek シンフォニエッタ/4つの前奏曲
(チャールズ・マッケラス/プロ・アルテ管弦楽団1959年)


membran 233359 Janacek

シンフォニエッタ
4つの前奏曲
マクロプーロス事件/カーチャ・カバノヴァ/死の家から/嫉妬

チャールズ・マッケラス/プロ・アルテ管弦楽団

membran 233359 1959年7月録音 Walthamstow Hall, London, England

 かなりマニアックな、オモロい、いまいち音質的には問題ある10枚組より。マッケラス33歳の記録。パブリック・ドメイン音源だからネットでも拾えます。もともと2003年にTESTAMENTよりの復刻CD(SBT1325)に含まれておりました。この一枚収録ケチっているなぁ、あと20分程収録可能でっせ、閑話休題(それはさておき)「シンフォニエッタ」といえば村上春樹でしょう。あれはジョージ・セルだったな(恥ずかしながら未聴)、リンク先コメントによると”冒頭と終結部分の金管のファンファーレがもうハチャメチャとしか言いようのない混乱ぶり”とのこと。アンチな情報を聞けば、必ず確認したい、自分なり裏付け取りたい性格ですから。

これはLP時代のジャケット写真  「シンフォニエッタ」はJanacekが日常聴かれる最大の人気作品なのでしょう。云々体育祭のファンファーレが基になっているとか、チェコスロヴァキア共和国軍に捧げられたという蘊蓄ともかく、颯爽とわかりやすく、祝祭的な明るさ賑々しさを感じさせます。2012年1月に自らの(ちょろ)コメントが残っていて、曰く

数種棚に在庫している同曲異演中マッケラス/ウィーン・フィル(1980年)と聴き比べておりました。そちら、なんせ音質的にもオケの技量的にも圧倒的に整っているけれど、こちらのステレオ初期音源にも別種の魅力有〜他のサイト言及とは微妙に感想は異なっていて、音質は(時代勘案すれば)マシ、といった程度、かなりヒステリック、デリカシーを欠くもの。演奏はアンサンブルが破綻しているとは聞こえない、粗野なエネルギーの爆発として受け取りました。作品旋律リズムの新鮮この上ない魅力は前提。
 ・・・なるほど。ジョージ・セル(未聴)に比べるとハチャメチャに聞こえるのでしょうか。あちら、それほどクリアな響きですか?ヒステリック、デリカシーを欠くもの、といった自らのコメント(音質のことだけど)さえやや乱暴であって、粗野なエネルギーの爆発というのがぴたり!でしょう。いかにもステレオ初期(おそらくはLP板起こしでしょう)的水準ながら、それなりの広がりもあって、さほどに、想像より悪い音質に非ず。第1楽章「ファンファーレ」は金管大爆発かつ著名な旋律だから、評価も厳しくなるのでしょう。

 第2楽章「ブルノのシュピルベルク城」はスケルツォ的開始であって、グルグル繰り返す切迫した旋律が管楽器弦楽器受け渡されます。この緊張感も並の集中力に非ず。やがて、金管の悠々としたファンファーレに収束され、爽快に「ファンファーレ」の風情が蘇ります。けっこう複雑な音楽ですよ、わかりやすいけれど。第3楽章「ブルノ王妃の修道院」は静謐優美な緩徐楽章となります。弦とハープが纏綿と歌い、オーボエ先頭に木管が優しく絡みます。やがて決然とした金管の荘厳な合奏が参入し、緊張感溢れる木管が上空を飛び交います。オケはそれなりに馬力があって、上手いと思うんだけどなぁ。

 第4楽章「古城に至る道」は間奏曲?とつとつと金管がシンプルなリズムを刻んで、やがて各パート同じ音型、リズムのまま繰り返されました。第5楽章「ブルノ市役所」は黄昏の哀愁を感じさせる、幻想的な開始(とくに弦の動き)。じょじょに雰囲気は盛り上がって騒然となり(市民の参集か)冒頭の金管「ファンファーレ」が喜ばしげに回帰する・・・その粗野な迫力をたっぷり愉しみましょう。素晴らしき大団円也。金管大活躍!ちょっと喧しいくらい。

 オペラの前奏曲(序曲)ばかり、4曲収録も貴重でしょう。「マクロプーロス事件」は、前収録「シンフォニエッタ」の切迫感がそのまま継続したような、激しくも目まぐるしい金管大活躍。「カーチャ・カバノヴァ」は、弦を主体とした静かで不安な風情〜激昂に至ります。「死の家から」も、悲痛な弦の歌から始まり、細かい音型(ヴァイオリン・ソロ)に導かれて不安な雰囲気継続いたします。

 「嫉妬」は歌劇として構想され、完成しなかった由。演奏機会は少ないそう。歌謡的な短調の三拍子旋律であり、これが一番穏健で心安らかに拝聴できるかも知れません。

(2013年1月13日)


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written by wabisuke hayashi