Mendelssohn 交響曲第4番イ長調「イタリア」(マズア/ゲヴァントハウス交響楽団)
交響曲第4番イ長調 作品40「イタリア」 マズア/ゲヴァントハウス管弦楽団 Schumann 交響曲第3番 変ホ長調 作品97「ライン」 ヘーガー/バンベルク交響楽団 DENON GES-9215 350円で購入 (P)1971Ariora-Eurodisc と、なっております。 「1988 制作;日本コロムビア株式会社」ってなっているから、意外とCD初期の頃の「名曲全集」的なシリーズの一枚でしょう。こうして各家庭に音楽を普及し、役割を終えて古本屋さんへ、そして余生をワタシの家で過ごすのもこのCDにとって幸せでしょう。こうして10数年経っても品質的な問題はありません。さすが日本製品。(関係ないかな?) マズアは人気高いメジャーな指揮者だし、「イタリア」も名曲の評価は揺らぎません。でも、ワタシは両者とも苦手なんです。いえね、Mendelssohnだったら有名なヴァイオリン協奏曲ホ短調、あまり知られていないピアノ協奏曲、室内楽曲はお気に入り。「無言歌集」だったらもっと好き。でも、交響曲は苦手なんです。 マズアは好き・嫌いと言えるほどは聴いていないし、ニューヨーク以降の録音は知らないのでなんとも評価できません。でも、一時人気のあったBeethoven の全集なんか全然ツマらなかったし、ま、いくつかの録音でも心の琴線に触れるものもない・・・・なんて、インターネットをぼんやり見ていたら、彼はMendelssohnのスペシャリスト、という評価なんですね。 ま、ライプツィヒはMendelssohnの地元だし、おクニもの、という自負もあるんでしょうか。正直「イタリア」なんて、どんな演奏を聴いても同じにしか聞こえなかったし、このCDも偶然棚の奥から発見したもの。旧録音でしょう。 結論的には、世評高いことが納得できる演奏でしたね。ワタシ、つい先日Mahler 交響曲第7番で彼をボロカスに言ったんですよ。でも、相性ってあるでしょ。Mahler では弱点になることが、こちらでもすべて良い目に出ていますね。曲的にもいろいろ魅力が発見できて、幸せでした。 この人、細かいところまでちゃんと表現します。(それが「明快」に至らないのが不思議)リズムがカルめで、淡々と進めます。オーケストラの響きにケバケバしいところはないし、しっとりとした雰囲気はないでもないが、歌が足りない。もうひと味コクが欲しい、なんて言うとファンに叱られるかしら。 でも「イタリア」では、この個性、ピタリとハマりました。素直で、よけいな節回しもなくて、急がず、重くならず、スッキリと気持ちがよろしい。Mendelssohnは薄味が良いんです。スープは濁っちゃいけない。人生を深読みさせるような、よけいな節回しは必要ないでしょう。 こんな爽やかな、気持ちの良い演奏は初めて。(なんて、何度か以前に聴いているでしょ?なんて)威圧感もないし、オーケストラの響きがとても落ち着いていてうるさくない。録音も自然で、聴きやすい仕上がりです。
ロベルト・ヘーガー(1886〜1978。このCDではヘーゲルと表記。有名な哲学者風)は、オペラ畑では巨匠と称えられた往年のドイツの名指揮者。こういったコンサート・ピースの録音は珍しいと思います。オーケストラがバンベルク響となれば、否が応でも「ドイツ風」演奏を期待したいもの。1960年代の録音と思われるが、音質は上々でした。 で、またまたワタシの単なるワガママだけれど、「ライン」は苦手中の苦手。でも、この演奏もちゃんと楽しめました。期せずして・・・というか、マズアとの表現の違いに愕然としました。旋律の歌わせ方、息の伸ばし方、すべて少々コすぎる味があって、しっかりと太字で表現しないと気が済まない、といったところでしょうか。 想像していたほど、ドロンとした重苦しさはなくて、それなりに「明快」〜なにが?主張が、節回しのタメが!引きずりが!。ゲヴァントハウスの音も良かったが、バンベルク響はもっと「ドイツの田舎」(ワタシのような異郷の者が想像する)風で、これがけっこう自信に満ちあふれて、堂々として素晴らしい。 バンベルク響と言えば、カイルベルトの録音を思い出すが、こちらのほうが音の条件が整っています。もっと、時代がかった異形なる解釈・・・を期待していたけれど、これがカルいはずもないが、濁りに充ちた混沌は存在しなくて、あわてず、騒がず、じかもジミで、重心は低く〜これ、日本人好みの演奏だと思うんですが、如何? ・・・・・って、売っていないかな、この演奏?なかなか。じっくり探してください。(2002年7月5日)
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