Hummel ピアノ協奏曲第2/3番(パル/ブダペスト室内管弦楽団/チャン(p))


NAXOS 8.550837 Hummel

ピアノ協奏曲第2番イ短調 作品85
ピアノ協奏曲第3番ロ短調 作品89

タマシュ・パル/ブダペスト室内管弦楽団/ハーウォン・チャン(p)

NAXOS 8.550837 1987年録音  1,000円で購入(5枚で1枚サービス価格=833円)

JOHANN MEPOMUK Hummel(1778-1837)は、知名度の低さからは想像も付かない名曲の宝庫だと思います。その後、室内楽を数曲聴く機会もあって、その思いをいっそう深めましたね。以下の文章には更新日付がないから、2000年以前と類推いたします。5年ぶりの再聴か。(c)1993となってるから、NAXOSでは初期の発売となります。ネット検索すると現役CDらしい。

 イ短調協奏曲は優美な旋律を聴かせてChopin への接近を思わせ、それにWeberの素朴さを混ぜ合わせたような躍動で始まります。第2楽章「ラルゲット」は平明で爽やか(5分ほどで短い)であり、そのまま続けて最終楽章へ。少々重く、暗い主旋律がゆったり、そっと〜劇的に揺れて、更にその表情がじょじょに明るく輝いてスピード・アップ!するところなど、ぞくぞくするほどの甘い魅力。

 ロ短調協奏曲は、ピアノが登場するまでの序奏が4分間!長い。少々冗漫に感じられ、それはオケの責任もあろうかと思います。やはりChopin の協奏曲のテイストに似ている前奏風景。やがてしずかなアルペジオでピアノが登場し、同じアルペジオ・パターンで旋律が成長します。華やかなヴィルティオーゾを表出させず、淡々とした旋律が牧歌的であり、楽しげでした。

 第2楽章「ラルゲット」は、ホルンの爽やかな合奏(1分以上続く。HUNMMELってけっこうしつこい?)で開始されます。ピアノは古典的な安寧に満ち、時に立ち止まりますね。(延々とホルンが絡む)やがて暗転し、哀しみの雲が上空に・・・このCD中白眉でしょうか。終楽章は先のイ短調協奏曲とは異なって、快速「ヴィヴァーチェ」となります。劇的表情と明るさが変転しつつ全曲を閉じるが、この楽章チャンの指が回っていない印象もあって、座りがよろしくありません。

   ヘー・ウォン・チャンのピアノは清楚だけれど、表現的にはどっち付かずだと思います。快速パッセージでの弾き流しも散見されます。思い切って浪漫的な世界に振る(水が滴るような美音ではない)わけでもなく、古典派的リズムの切れ味(仕様楽器に関わらず)方面でもない、ひたすら素直で少々面白みに欠けます。バックも洗練されず、親密なるアンサンブルとは言い難いしょう。リズム感もよろしくない。

 これはもっと、作品の真価を発掘していただける演奏との出会いを待つことにしましょう。

(2005年5月13日)


 「秘曲」を発掘してくれるのがNAXOSの素晴らしいところで、このHummelも注目すべき仕事だと思います。たしか、以前はマルコ・ポーロ・レーベルにて2,000円で売っていた記憶有。
 Hummelはベートーヴェンより10歳年下で、CDではトランペット協奏曲がポピュラーでしょう。手許にはファゴット協奏曲もありますが、いずれにせよピアノ協奏曲は珍しい存在でしょう。こうした廉価盤で紹介していただいて、ありがたいことです。

 この2曲は両曲とも30分を越える大曲。旋律の美しい、隠れた名曲。演奏会でもほとんど取り上げられないのは不思議です。
 粗っぽい言い方をすると・・・・・・古典派の端正な味わいに、ショパン風の甘い旋律をブレンドしたような、親しみやすい、ちょっと哀愁を帯びた曲。ロ短調協奏曲における、静かなアルペジオを生かしたソロがとくに魅力的です。

 チャンは韓国出身の中堅ピアニストだそう。手堅い演奏ぶり。解説を見直して女性であったことに気付きました。NAXOSにはバッハの協奏曲もありました。(ミュラー・ブリュールの新録音が出たので、廃盤かも)

 誠実でまっすぐ、やや愛想のない演奏でしょうか。それでも曲が進行するに連れて、熱くなっているのがわかります。ラルゲットの静かな楽章に、繊細な味わいも感じられます。曲に慣れていないのか、なんとなくまとまりは良くない。(指揮者の責任?)

 濃厚で甘い旋律は、もっとたっぷりとした歌い口が可能のはず。テンポの揺れもほとんどなく、足どりもしっかりと淡々と進めています。ピアノ自体の音色は、特別なものではありません。技術的には安定していますが、細部の弾き流しが散見されます。こういう飾りのない演奏も、曲の味わいをそのまま伝えて悪くないかも。

 バックのブダペスト室内管というのは1985年に設立された、と解説にありますが、他の録音の存在は知りません。あまり洗練されているともいえず、ま、それなりのアンサンブル。奥行きが感じられない録音のせいかも。
 ロ短調協奏曲第2楽章における、延々と続くホルン・ソロはなかなか聴きもの。

 まだ初期のNAXOS録音で、オン・マイク過ぎて肌理も粗い。バランスもイマイチ。ピアノが大音量で盛り上がるところは、音が濁る。ジャケットの絵が洗練されないのも、この時期の特徴です。


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written by wabisuke hayashi