Hindemith  ウェーバーの主題による交響的変容
(フルトヴェングラー/ベルリン・フィル)


Hindemith  

ウェーバーの主題による交響的変容(1947年)

PEPPING

交響曲第2番ヘ短調(1943年)

フルトヴェングラー/ベルリン・フィルハーモニー

HISTORY 20.3138-302    10枚組3,000円で購入

 「ヒンデミット・・・・?うぅ、辛気くさ」といった先入観がありました。このサイトにもホルヴァートのCDにワケのわからんコメント付けて掲載しておりました。結論から言って、こりゃ全面書き換えが必要な状況みたいで、ちょっと目覚めました。少々以前から「お勧め」メールはいただいていたんですけどね、この「ウェーバー」にはビックリ。

 予兆はありまして、シルヴェストリの10枚組の10枚目(D classics BX 707532)に「画家マティス」が入っておりまして、これがエラく力強くて曲自体の印象を一変させました。(オケはフィルハーモニア管)ま、別にHindemithなぞ意識して聴こうとは思わないが、たまにはフルトヴェングラーでも(第九ではボロクソに書いちゃったので)と思って箱から出したらコレだっただけなんですが。

 で、件のフルトヴェングラーに戻りまして、この曲、セルが録音していたし、第2楽章スケルツォの打楽器のリリカルな味わいがShostakovichの「死者の歌」に似ているんではないか、とシロウト考えで感想を持っておりました。ところが聴いてみると、もうこれは驚愕怒濤のド迫力で、「こんな曲だった?」と不思議に思うくらい荒々しくも暴力的な音楽なんです。

 第1楽章は、まるでハンガリー辺りの民族舞曲みたいな味わいに変わっていて、昔懐かしい冒険ものの映画音楽みたい。オケのテンションはエラく高いし、厚みがあって情熱的にアツい。

 第2楽章は、ややクールダウンしいるが、やはりバルトークを連想してしまうリズム感。単純でわかりやすい旋律を繰り返して熱狂的に盛り上がって唖然とします。もう、やたらとうるさい音楽に変身してますね。リリカルな記憶だった打楽器群も、なにやら曰くありげな主張いっぱいで一筋縄ではいかない。

 アンダンティーノは素晴らしく叙情的で、美しい音楽に変貌しておりました。フルートの音色が、現在とはずいぶん違って渋い。終楽章はドイツ的な行進曲(もともとMarschだから、当たり前か)になっていて、深刻な表情ながら抑制を利かせて始まったと思ったら、途中から明るく気持ちよく、高らかに〜やはり時々辛気くさい表情も散見されるが〜終わってくれます。

 フルトヴェングラーって、曲の本質を天才的にえぐり出しているようで、もの凄くわかりやすい個性。「やっぱり演奏が違うのかな」なんて思いながら、ホルヴァート/オーストリア放響のCD(PILZ 160 273)を取り出したら、これがまた緻密で、クールでよい演奏なんです。嗚呼、ワタシゃな〜んにもわかっていなかった。(反省。書き直します)


 エルンスト・ペッピングって誰やねん?(1901-1981)だから、最近まで存命だったドイツの作曲家らしい。世代から考えるとずいぶんと保守的な作風で、すっきりとした古典的な作風でしょう。38分ほどの4楽章、金管がのびのびと歌うわかりやすく、美しい旋律の作品だけれど、特別に何度も聴きたい、とは思いません。ま、フルヴェングラーの充実した演奏で、最後までけっこう聴かせて飽きさせません。(自作の交響曲よりずっとマシか)

 録音はヨロしいはずもないが、ワタシは気になりませんでした。ベルリン・フィルは今も昔も優秀だけれど、この時代には「甘み」がありません。もっと質実というか、妙な色気がないというか、苦み走っているというか・・・。今のベルリン・フィルは、男性がお化粧しているように見えるときもあります。(あくまでCDで聴く限り)

(2001年12月28日更新)


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written by wabisuke hayashi