Haydn 交響曲第50番ハ長調/第64番イ長調「時の移ろい」/
第54番ト長調(デレク・ソロモンズ/レストロ・アルモニコ )


CBS/SONY LPデザイン Haydn

交響曲第50番ハ長調
交響曲第64番イ長調「時の移ろい」
交響曲第54番ト長調

デレク・ソロモンズ/レストロ・アルモニコ

SONY 19658829892 1984年録音

 マックス・ゴバーマンは彼の途中急逝によりCBSによるHydn交響曲全集録音未完成、そしてこのDerek Solomons(1937-英国)による古楽器によるディジタル録音も中途半端に中断されておりました。 L'oiseau Lyreのクリストファー・ホグウッドも全集録音を目指したけれど、売れなくて途中頓挫したそうだから、HaydnはMozart辺りと比べて、世界的に人気は薄いのかもしれません。(独逸在住の方のブログを拝見しても、Haydn演目だけではなかなかお客は入らないとありました)

 これは久々の再発売?自分は偶然、けっこう以前より拝聴機会はありました。写真はLPデザイン。どれもスマートに軽快な演奏が続いて、この時期にして古楽器奏法はかなり熟達してスムース、アクセントもしっかり効いてマイルドに素直な表現になっております。ディジタル初期の音質は良好でした。

 交響曲第50番ハ長調は2管編成(ob-2/hr-2/tp-2)+ティンパニ。1774年頃の作品。
 第1楽章「Adagio et maestoso - Allegro di molt」は堂々たる立派な序奏。「リンツ」交響曲を連想しました。晴れやかな表情の主部は意外とあっさりと短いもの。(4:45)
 第2楽章「Andante moderato」は符点のリズムがマイルドに揺れるところ。(4:11)
 第3楽章「Menuetto-Torio」はティンパニとトランペットが勇壮にリズムを刻みます。(5:44)
 第4楽章「FinaleーPresto」ちょっと様子を見ながらの始まり、やがて晴れやかな表情に疾走して締め括りました。(5:27)

 交響曲第64番イ長調「Tempora mutantur」は前曲と同じ編成にティンパニなし。1773年頃の作品。例の如しニックネームと作品との関係はよくわかっていないそう。
 第1楽章「Allegro con spirito」序奏なし、表情豊かな旋律が次々と登場してスッキリ颯爽としたカッコ良い始まり。(8:19)
 第2楽章「Largo」は弱音器をつけたヴァイオリンが淡々と歌って、寂しげに唐突な休止が多い。(5:12)
 第3楽章「Nenuetto,Allegro」シンプルなリズムに乗ってホルンとオーボエがアクセントに活躍します。(3:12)
 第4楽章「Presto」快活なフィナーレは転調暗転も出現して、あっという間に終わりました。(3:04)

 交響曲第54番ト長調は二管編成(fl-2/ob-2/hr-2/tp-2/fg-2)+ティンパニ入り。初めてファゴットが独立して譜面に出現した作品とのこと。かなり大きな編成になりました。1774年の作品
 第1楽章「Adagio maestosoーPresto」堂々たる序奏から始まって劇的な始まり、主部は陰影豊かになかなか勇壮な勢いがあるもの。(7:56)
 第2楽章「Adagio assai」は長大。リピートを全部実行すると20分に至るらしい。弱音器をつけた弦とオーボエのみに演奏される緩徐楽章は、淡々と落ち着いた味わい深い静謐が延々と終わらない。(16:08)
 第3楽章「Menuetto-Trio」は眠りから爽やかに覚めたように闊達にリズムを刻むメヌエット。(4:44)
 第4楽章「FinaleーPresto」も賑やかな疾走でした。(7:28)

(2025年12月13日)

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written by wabisuke hayashi