Haydn 交響曲第62番ニ長調/第63番ハ長調/第70番ニ長調
(クリストファー・ホグウッド/アカデミー・オブ・エンシェントミュージック)


4806900/28 Haydn

交響曲第62番ニ長調
交響曲第63番ハ長調
交響曲第70番ニ長調

クリストファー・ホグウッド/アカデミー・オブ・エンシェントミュージック

Universal Italy(L'oiseau-lyre) 4806900/28 1995年録音

 クリストファー・ホグウッド(1941-2014)惜しい人を亡くしました。Mozart の成果に続いてHaydn交響曲全集が残念、途中頓挫したのはCDが売れなかったと伺っております。この辺りからクラシック音楽、CD商売に陰りが出て、例えばハイティンクがPHILIPSとの契約が打ち切られベルリン・フィルとのMahler 全集は未完成に、RCAからレヴァインのMahler 交響曲第2/8番(メトロポリタンのオケ)録音計画の発表があっても、レーベルそのものが身売りされるといった流れになったと記憶します。閑話休題(それはさておき)

 1970年代アンタル・ドラティの偉業は前人未到、唯一無二と評価されたのも懐かしい思い出、時代は遷って、種々新しいHaydnの交響曲録音は気軽に聴ける時代に至りました。。この3曲、ホグウッドの録音を取り出したことに他意はなくて、ほんの偶然です。

 交響曲第62番ニ長調は1780年(48歳。以降2曲概ねこの辺りの作品らしい)作、交響曲第53番ニ長調終楽章第2稿からの転用とか(原曲未確認)Allegro-Allegretto-Menuet/trio, allegretto-Finale, allegroの古典的な風情計25分ほど、陰影に充ちて溌剌とした作品です。闊達とした両端楽章はもちろん、6/8拍子の「Allegretto」がありがちな緩徐楽章印象に非ず、落ち着いてどこか寂しげな舞曲になっております。ホグウッドのアンサンブルは溌剌として、ニュアンス豊か、痩せて鋭角な古楽器サウンドではない。

 交響曲第63番ハ長調「ラ・ロクスラーヌ:La Roxelane」は第1楽章 Allegroは歌劇「月の世界」序曲の編曲、なるほどそんな華やかな幕開けな感じ。第2楽章は表題の由来となった劇音楽からの引用だそうで、トルコ風の旋律リズムがユーモラスな変奏曲になっております。フルートが美しく、ここでも陰影豊かな変化を愉しめました。第3楽章第4楽章には第1版第2版があるんだそう?ここでの採用はどちらかド・シロウトには不明(ティンパニを含まないから第2版か)。典型的な牧歌的メヌエット〜昔未完だった作品からの流用らしい終楽章は闊達ヴィヴィッドな疾走、ややありきたり?中盤以降の転調(暗転)によって、ちょっぴり色付けされておりました。22分ほど。

 交響曲第70番ニ長調はティンパニも入って、力強く堂々たるスタート(Vivace con brio、3/4拍子)、リズムのアクセントが明快なのはホグウッドの表現もあるのでしょう。第2楽章は「二重対位法によるカノン」と題され、軽妙なリズム、もの哀しい、寂しい風情の変奏曲が続きます(8分ほど、ここが一番長い)「ラメント」といったところか。題名ほど期待した効果を感じ(盛り上がら)ないのは、聴き手の音楽素養水準問題かも。第3楽章「Menuet/trio, allegretto」は典型的な短いメヌエット、トリオの木管もシンプルそのもの、ティンパニのアクセントと金管の掛け合いが効いておりました。

 終楽章「Finale, allegro con brio」短調〜長調へ、スケールと切迫感のあるフーガになって、これはなかなかの聴きもの。ティンパニの5連打が支配するけれど3分ほど、あっという間に終わりました。計19分ほど。

 一部の古楽器に見られるような粗野な痩せた響きに非ず、暖かく溌剌とした立派な古楽器演奏。技術的洗練はMozart 全集より進化していると感じました。音質も極上。

(2015年2月21日)


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written by wabisuke hayashi