Handel 水上の音楽 HWV348/349/350/
Telemann 水上の音楽「ハンブルクの潮の満干」
(ロバート・キング/キングス・コンソート)


Helios CDH55375 Handel

水上の音楽 (レートリッヒ版?)
組曲第1番ヘ長調HWV348(9曲/オーボエ、ホルン)/組曲第2番ニ長調HWV349(5曲/トランペット)/第3番ト長調HWV350(5曲/フルート、リコーダー)

Telemann

水上の音楽「ハンブルクの潮の満干」

ロバート・キング/キングス・コンソート

Hyperion CDH55375  1997年録音

 George Frideric Handel(1685ー1759)は大Bach(1685ー1750)と同い年、小学校中学校の音楽室には並べて肖像画が飾ってあったけれど、作品の馴染みとか人気では少々差があるかも知れません。「水上の音楽」は管弦楽組曲 、これは昔からけっこう人気だけれど、少なくとも日本ではBachに比べて演奏機会は少ないかと。「水上の音楽」は誰でも知っている名曲中の名曲、これも最近人気薄いかも。Robert King(1960-)はキングス・コンソート(The King's Consort/古楽演奏団体)を1980年に設立して録音も数多くあったけれど、キングが2007年に淫行事件???で逮捕されて以来、その音源は限られた範囲でしか聴くことができません。閑話休題(それはさておき)

 もとより明るく華やかな作品旋律、一昔前は著名な指揮者はたいてい録音して、それはモダーン楽器による盛大な演奏(クリュザンダー版/20曲、ハーティ版/6曲)それが似合う風情でしょう。これはスッキリ軽快な響きの古楽器演奏、ピッチはA=415Hzとのこと(現在の標準は440Hzだからかなり低い)レートリッヒ版とは演奏順番が変わって、組曲第1番ヘ長調HWV348は順番そのまま、組曲第2番ニ長調HWV349+第3番ト長調HWV350は自在に順番を変えて、演奏効果を考えての配置なのか、それともなんらかの研究成果が盛り込まれたのかもしれません。組曲第3番ト長調の管楽器はフルート、リコーダー、トランペットが活躍する組曲第2番ニ長調に比べてジミ、それをラストにまとめて配置するとバランスがよろしくないからと類推されます。

 Bachだったら演奏スタイルとか繰り返しさておき、概ねオリジナル順番で奏されるのは当たり前、こちらHandel演奏は習慣なのでしょうか。ニコラウス・アーノンクールの衝撃が話題になったホルンのフラッター奏法は、ここでも控えめだけど充分新鮮。金管はデーハーに輝かしく響きません。軽快なリズム感、溌剌とメリハリあるノリノリの勢いはあくまで英国然として(←この辺り極東ド・シロウトの思い込み)抑制とバランスを感じさせ、Handel馴染みの人懐こい旋律をたっぷり愉しめる穏健派。オケは上手いですね。古楽器演奏もここまで洗練されるのか、感慨深く、”事件後”活動が停滞したであろうことを残念に思います。

 Georg Philipp Telemann(1681ー1767)の「水上の音楽」はLP時代から馴染んでいた(ロラン・ドゥアット/コレギウム・ムジクム・ド・パリ)けれど、世間的には知名度的にはちょいと落ちるでしょう。フランス風序曲(緩急緩)-眠るティーティス(sarabande)/目覚めるティーティス(bourree)/恋に堕ちたネプチューン(loure)/踊る泉の精霊たち(gavotte)/戯れるトリトン(harlequinade/道化茶番の意)/吹きすさぶ風(Menuett)/快ち良い西風(Menuett)/潮の満干 (jig) /愉快な舟人たち(canarie)から成る管弦楽組曲。

 Telemannを聴くといつも思うのはBachによう似ているな、と。Bachをもっと平明にして大衆的、親しみやすくなったかわり、ちょいと陰影と深みが足りんかな、そんな勝手な感想に至ります。金管は含まず、リコーダー(ソプラニーノ、ソプラノ、アルト)2、フラウト・トラベルソ2、オーボエ2、ファゴット1が弦楽器に加わります。こちらも軽快なサウンドリズムが爽やかな演奏。

(2018年6月17日)

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written by wabisuke hayashi