Handel オルガン協奏曲第1番ト短調HWV 289 作品4-1/
第2番 変ロ長調HWV 290 作品4-2/第3番ト短調HWV 291 作品4-3/
第4番ヘ長調HWV 292 作品4-4(クリスティアン・シュミット(or)/
ニコル・マット/シュトゥットガルト室内管弦楽団)


Brilliant BC92296 Handel

オルガン協奏曲
第1番ト短調HWV 289 作品4-1
第2番 変ロ長調HWV 290 作品4-2
第3番ト短調HWV 291 作品4-3
第4番ヘ長調HWV 292 作品4-4

クリスティアン・シュミット(or)/ニコル・マット/シュトゥットガルト室内管弦楽団

Brilliant BC92296 2004年録音

Bachほど拝聴機会はないし、著名なオルガン協奏曲はあまりお気に入り作品に非ず(むかし数曲聴いた先入観/ソロとオーケストラの掛け合いに非ず、交互に出現するのが気に喰わなったと記憶)ようやく真面目に向き合ったもの。Nicol Matt (1970-独逸)はBrilliantのMozart声楽作品録音に八面六臂の活躍・・・ハープ協奏曲 変ロ長調も含む全CD5枚中未だ半分も聴いていないけれど、これはピカピカの音質、残響が快いもの。のんびりギャラント典雅な風情をすっかり気に入りました。オーケストラはモダーン楽器、素直なスッキリとした響き、作品演奏も含めて”ワンパターン”変化に乏しい感じはあるけれど、ゆったりとした間、静かな時間を堪能すべき音楽かな、と。(「音楽日誌」2019年6月)

 Christian Schmitt(1976-独逸)がソロを担当したオルガン協奏曲全集。世間的な人気とか演奏機会云々さておき、自分には演奏の良し悪しやら(とくにオルガンは全部同じに聞こえる)作品の詳細分析など、正直なところようワカリまへん。どれも似たように緩急緩急の短い楽章ばかりゆったりと、ノンビリ典雅な風情を堪能しているのみ。これは5枚組中の一枚目。以下、蛇足。上記にあるように、ソロと弦楽伴奏が交互に出てくるのですね。音色的にオーボエが重ねられているかも。通奏低音のオルガンかも知れません。残響豊かな録音も上々、オルガンが設置された教会なのでしょう。

 第1番ト短調HWV 289。「Larghetto, e staccato」は哀愁と詠嘆に充ちたオルガンが悠々と歩みます。弦はなかなかの雄弁。(5:14)「Allegro」は陰影ある大柄な旋律の躍動が魅力(5:30)「Adagio」は哀しげなオルガン・ソロ中心(ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調第2楽章を連想)(1:10)「Andante」は晴れやかな表情に闊達、細かい音形はデリケートでした。この辺りバロック音楽の魅力をたっぷり感じさせてくださいました。(4:12)

 第2番 変ロ長調HWV 290。「A tempo ordinario, e staccato」は優雅に大柄な序奏?はほんの短いもの。ラスト、ヴァイオリン・ソロ登場。(0:57)「Allegro」は馴染みの合奏協奏曲風闊達な歩み。ソロと弦の掛け合いは陰影たっぷりになかなかの魅惑。(5:03)「Adagio, e staccato」はほんの短い、哀しげな中休み。(0:41)「Allegro, ma non presto」は表情は晴れやかにしっかり着実な足取り。時にちょっぴり陰りを見せるのもいつものパターンでしょう。(4:04)

 第3番ト短調HWV 291。「Adagio」は神妙に、しっとりとして甘いヴァイオリン、チェロのソロが絡み合って味わい深い開始。ここにはオルガンが登場しません。(3:50)「Allegro」は水際立ったオルガン・ソロの悲しい旋律が光りました。なかなかの名曲。テンポは急ぎません。(3:58)「Adagio」はヴィオラ?とヴァイオリンの切ない掛け合いにオルガンはお休み。(1:02)「Gavotte: Allegro」は哀しみの旋律のまま、テンポ・リズムは生き生きと締めくくられました。(2:33)

 第4番ヘ長調HWV 292。「Allegro」は剽軽に明るく、ヴィヴィッドなソロが活躍して、ここは緩急緩急に非ず、急から始まって緩緩急となります。(3:48)「Andante」は平明に安寧なオルガン・ソロ。やがて弦が静かに呼応します。ここも陰影豊かにデリケートな名旋律が聴きもの。(6:11)「Adagio」はオルガン・ソロによる、雄弁なカンタータのアリアのよう。これも先のブランデンブルク協奏曲第3番ト長調第2楽章風。(1:10)「Allegro」は晴れやかな表情のフーガ風でした。(3:36)

(2021年7月16日)

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written by wabisuke hayashi