Bach イタリア協奏曲/Mozart ピアノ・ソナタ第15番ハ長調K545/
Schubert スケルツォ第1番 変ロ長調、スケルツォ第2番/
Chopin アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調
(フリードリヒ・グルダ(p))
Bach
イタリア協奏曲ヘ長調BWV971
Mozart
ピアノ・ソナタ第15番ハ長調K545
Schubert
スケルツォ第1番 変ロ長調D593の1、スケルツォ第2番 変ニ長調D593の2
Chopin
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 作品22
フリードリヒ・グルダ(p)
AMADEO PHCP-9012 1965年録音 1,500円で購入
このCD、LP時代も愛聴していて、1994年に国内盤で発売されたとき、「グルダ・アンコール」(これも最高)と一緒に購入したもの。当時はこんな高いCDでも買っていたんです。というか、どうしても欲しかったCDで(PHILIPSに吸収されてしまった)AMADEOというオーストリアのレーベル名も懐かしい。
ピアノ・ソロ録音が一番むずかしい、という話しを聞いたことがあります。このCDややオン・マイクだけれど、芯があって、中低音がしっかりとしている立派な録音。グルダのタッチがかなりリアルにとらえられていて、聴き疲れしません。
まずBach 。グールドと並んで「Bach はピアノで」というワタシの先入観は、この録音の影響が大きい。イタリア協奏曲は、いまでこそ名曲と感じられます。が、シンプルに上下する旋律に感動するには、けっこう手間が掛かった記憶もありました。だいたいなぜ「協奏曲」なのか?(何度解説を読んでも理解できないド・シロウトのツラさ)
ややユルリ目というか、しっかりと安定したテンポで進めています。ていねいで、明快で、どこといって特別なエキセントリックさは見あたらない。(グールドは終楽章の快速テンポが熱狂的)ノンビリしているようでもあり、淡々としていて、「シンプルに上下する旋律」が歌われていくが、これが病みつきとなる不思議。他の演奏を聴いていると、このフツウっぽい演奏に回帰したくなるんです。
「こどものMozart 」は、彼の協奏曲録音(第21/27番)と並んで「装飾音」が有名です。ま、Mozart はどんな演奏でも感動するし、いっぽうでどんな名人が弾いても満足できないことも多い。グルダは、あちこちメいっぱい飾りを付けてしまって、それが楽しくて最高なんです。でも、そこばかりに目を奪われるとこの演奏の本質からは離れてしまって、無垢なこの旋律をイキイキと表現していることこそ重要。
Schubert のスケルツォはかなり渋い選曲。彼にはワルツとか知られていない名曲がたくさんあるようで、4分くらいの佳曲を発掘してくれたグルダに感謝しつつChopin へ。
「アンダンテ・スピアナート〜」は、ワタシ、月並みで申し訳ないがルービンシュタインの録音(1964年)に心底惚れております。スピーカーから高貴な香りが立ち上るような演奏。官能的であり、まるで管弦楽が聴こえてくるかのような多彩さ。・・・・それに比べると、グルダのなんと生真面目で、実直な表現であることか。
でもその生真面目さ、実直さも悪くない。ポロネーズのリズム感(というか微妙な揺れ)はグルダには表現できないかも知れません。そのかわり濃密な集中力はある。少々ヤボで、色気が不足するところは許してあげましょう。(2001年9月21日)
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