Graz Philharmonic Stereo Specutaclar ! (グラーツ・フィル)


Livingston Gkinka

歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲(Gustav Cerny)

Tchaikovsky

スラヴ行進曲(Maximilian Kojetinsky)

Smetana

歌劇「売られた花嫁」よりポルカ/道化の踊り/フリアント(Gustav Cerny)

Nicolai

歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲(Maximilian Kojetinsky)

Verdi

歌劇「ナブッコ」序曲/歌劇「運命の力」序曲(Miltiades Caridis)

Saint-Sae"ns

交響詩「死の舞踏」 (Gustav Cerny)

Tchaikovsky

イタリア奇想曲(Gustav Cerny)

グラーツ・フィルハーモニック

Livingston RD-153 録音情報不明

 Graz Philharmonic Stereo Specutaclar ! という音源をネットより入手して、これがどーもわからない。指揮者の様子もなかなか探せません。Miltiades Caridis(1923ー1998独逸?)とMaximilian Kojetinsky(1906-1986墺太利?)はちょっぴり情報検索できました。いずれ初耳ばかりの演奏陣、Graz Philharmonic Orchestraは墺太利第2の都市にあるオーケストラ、1950年に前身となる2つのオーケストラが合併してできた団体らしい、オペラのピットにも入るとのこと。初期の音楽監督にはHans Swarowsky、最近ではMario Venzago、Philippe Jordanの名前も見えます。オープンリール・テープによるマスターがどーとやら、音質がウリのLivingstonというレーベル録音なんだそう・・・

 ・・・と、上記迄書いて数ヶ月放置失念。DVD-Rに焼き込んでいる当該ファイルを探すのに(分類エエ加減故)丸一日掛かるのも情けない。ようやく発見して久々に拝聴いたしました。なんかあまり上手いオーケストラじゃないみたい。

 元気よろしい「ルスランとリュドミラ」序曲より開始。音質は解像度奥行きも広がりも充分、テンポは常識的な中庸、弦の縦線アンサンブルがややユルい?けれど、まずまずフツウに盛り上がって、これはGustav Cernyの担当でした。(5:17)「スラヴ行進曲」は勇壮な葬送行進曲から始まって、やがて民謡風明るい軽快な旋律へと至ります。ラスト大序曲「1812年」でも有名な帝政ロシア国歌「神よ、皇帝を護りたまえ」で締めくくられる名曲。なかなかの金管の厚み、堂々たる構えもオーケストラがあまり上手くない印象がありました。Maximilian Kojetinsky の担当(9:27)

 歌劇「売られた花嫁」よりの3曲はなぜか熱狂的な序曲が含まれません。リズムがユーモラスにオモロい「ポルカ」はラスト熱狂的にテンポを上げるけれど、いまいちノリがよろしくない。(4:42)「道化の踊り」は無窮動っぽい細かい旋律が疾走して、アンサンブルの縦線とか、ピッチが少々甘いもの。(4:19)「フリアント」は泥臭い変拍子有、優雅なワルツ有、愉しいもんですよ。(2:13)せっかくの元気な名曲なのになぁ、Gustav Cernyの統率はちょっぴり残念。

 ニュー・イヤー・コンサートにもしばしば登場する「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲。ゆっくり夜が明けて行くようなしっとり優雅な、ワクワクするような始まり。やがて女房たちのおしゃべりが始まるのでしょうか。Maximilian Kojetinskyのアンサンブルはちょっぴり甘いけれど、愉悦に充ちた雰囲気は満載です。(8:26)舞台は露西亜→捷克→独逸から伊太利亜へ。「ナブッコ」序曲はMiltiades Caridisの担当。冒頭管楽器が妙にしょぼく、ピッチもよろしくない。ほとんどヘロヘロ、サウンドが全体に薄い感じ、力強さ緊張感に欠けております。続く「運命の力」序曲は、かなり頑張って冒頭悲劇的な金管のファンファーレもまずまず、後半の優雅な明るい勢いも上々でしょう。もうちょっと元気が欲しいけど。音質印象もあるのかも。(7:11-6:48)

 ちょっぴり選曲毛色の違う「死の舞踏」はGustav Cernyの指揮。 骨太独奏ヴァイオリンのスコルダトゥーラ(変則調弦)がクローズ・アップされ、怪しい雰囲気満載、これはなかなかのパワフルな力演。ちょいと無骨だけどね。(7:32)ラスト再び露西亜に戻って「イタリア奇想曲」は民謡風旋律満載の南国への憧憬を表現した名曲。これは前曲含めて音質がオン・マイクが効果的なんですね。デーハーな金管炸裂してなかなか迫力はあるけれど、あまり上手くはない。引き続く弦も神妙に控えめ。ラストへ向けて少々息切れも感じられました。(14:55)

(2022年5月28日)

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written by wabisuke hayashi