Glie're 交響曲第1番 変ホ長調 作品8
(グリエール/全ソヴィエット放送管弦楽団)


CONSONANCE	81-3001 Glie're

交響曲第1番 変ホ長調 作品8
グリエール/全ソヴィエット放送管弦楽団(1950年録音)

ハープ協奏曲 作品74
ハイキン/ソヴィエット放送交響楽団/エルデーイ(hp)(1968年)

CONSONANCE 81-3001  1.99$

 旧ソヴィエット系の地味な作曲家は、これからボチボチ見直しが始まることを期待します。コンソナンスもそういう作品を掘り出すレーベルとのこと。
 NAXOSがグリエールの交響曲3曲をCD化してくれていて、第3番「イリヤ・ムロメッツ」はFMで放送されていたのを聴いて、わりと気に入りました。(ジョハノス/スロヴァキア放響〜CDも買いました)

 最近、個人輸入のカタログを眺めていたら、グリエールの自作自演のCDが安く出ていたので、買い求めたものです。放送録音からのCD化と思いますが、音の状態はなかなかのもの。

 社会主義の政策なのか知りませんが、グリエールの作風はエキゾチックで民族的な旋律がわかりやすく、楽しく聴けます。この交響曲第1番は、学生時代の作品とのこと。

 交響曲は40分近くにも及ぶ大曲で、明るくわかりやすい曲。第1楽章は、静かで暖かい冒頭から、いっきにフル・オーケストラの盛り上がり至る、いかにも浪漫的な甘い旋律。チャイコフスキーの影響バッチリですね。
 第2楽章は、細かい音形がめまぐるしく歌う「くるみ割り人形」を彷彿とさせる楽しさ。第3楽章アンダンテは切々とした泣きの音楽。やがて「泣き叫び」の絶叫にたどり着く。最終楽章は、ホルンの勇壮な雄叫びから開始され、ややお決まりの能天気っぽいキメ方で、じつにまとまりはいい感じ。
 楽しめます。

 グリーエルの指揮ぶりは、ちょっとリズムがもたつくところもあるけれど、堂々として立派。アンサンブルもしっかりしています。オーケストラの実体がわかりませんが(上記は私の勝手な訳;ALL UNION RADIO ORCHESTRA)、管楽器のえげつないくらいの強烈・刺激的な迫力とか、例のホルンの甘いヴィヴラートなんか最高に楽しめます。
 当然モノラル録音ですが、残響も奥行きもあって聴きやすい音。普通、正規録音でもかなり劣悪な旧ソヴィエット録音にしては、出色のしっとりとした音質です。不自然さはありません。

 ハープ協奏曲は、私が小学生の時に聴いているんですよね。(ペーター・シュヴァルツ/札幌交響楽団)なんの記憶もなくて、今回聴いてみてビックリの名曲。
 ソロのスケールが大きくて、幻想的でメルヘンな旋律が美しい。「ハープ版チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番」といった豪快な曲です。ソロの音色が硬質ですが、それは個性として説得力があります。懐かしいハイキンのバックも繊細なアンサンブル。(オーケストラはモスクワ放響とは別もんでしょうか。どなたか詳しい人教えて下さい)
 こちらはかなり鮮明なステレオ録音です。

 このCDと同時に、交響曲第2番の自作自演盤も購入しました。NAXOSのも買って聴き比べてみようかな。ロシア音楽もいろいろあるようで、これからが楽しみです。


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written by wabisuke hayashi