Glazunov 交響曲第3番ニ長調/第9番ニ短調(未完)
(ホセ・セレブリエール/スコティッシュ・ナショナル管弦楽団)


Warner Classics	2564664674 Glazunov

交響曲第3番ニ長調
交響曲第9番ニ短調(未完)

ホセ・セレブリエール/スコティッシュ・ナショナル管弦楽団

Warner Classics 2564664674  2009年録音

Glazunovはかなり以前から聴いていたはずなのに、交響曲第3番イ長調ってこんなに甘く、美しく、わかりやすい作品でしたっけ?露西亜五人組の泥臭い民族的な世界から一線を画して、Tchaikovskyの影響が大きいとのこと、ワタシはRachmaninovの先駆を感じ取りました。爽やかに暖かくも優しい第1楽章「Allegro」、第2楽章「Vivace」は耳元でメルヘンを囁くよう、第3楽章「Andante」に懐かしい甘美な世界溢れ、第4楽章「Allegro moderato」堂々たる構えもあくまで親密、セレブリエールの表現も洗練されてわかりやすいもの。後人(ガヴリル・ユーディン)により補筆完成された第9番二短調(一楽章のみ)も、ほのかな露西亜風情漂う懐かしい旋律でした。(「音楽日誌」2016年6月)
 日本ではTchaikovsky大人気!ProkofievもShostakovichも演奏機会は多いのに、Glazunov(1865-1936)はほとんど話題になりません。自分だってヴァイオリン協奏曲と「ライモンダ」くらいかな?それなり聴いたことがあるのは。先の「音楽日誌」2016年6月の引用には続けて
記憶はすっとんでいても聴いていないはずはない!棚中音源を探ると・・・Glazunov 交響曲第3番ニ長調/第9番ニ短調(未完)〜アレクサンドル・アニシモフ/モスクワ交響楽団(1997年)出現・・・モスクワ国立交響楽団に非ず、モスクワ響也。露西亜らしい時に炸裂する金管に惑わされて、その実、意外とオケが鳴っていない。弱音部分が様子曖昧になるんです。アンサンブルも少々肌理が粗く、作品印象は泥臭い感じ。これはこれで好きな人はいるんじゃないかな?
 ・・・ま、かつてそれなりに作品を聴いた記憶ないでもない・・・ホセ・セレブリエール(Jose Serebrier/1938ー)は、ややさっぱり素直過ぎるサウンドのオケを率いて、爽やかに仕上げて素敵です。50分に及ぶ大曲、文句ない名曲であります。

 爽やかに暖かくも優しい第1楽章「Allegro」は(ちょっぴり)露西亜風味のMendelssohnみたいな感じ。優しく、伸びやかな弦がしっとり歌い、金管の朗々とした響きにバランスが感じられるのはセレブリエールの表現、Borodinのオリエンタルな風情を木管に感じさせます。(11:54)第2楽章「Vivace」は耳元でメルヘンを囁くよう、きらきらとした細かい音形が宝石のように呼び交わします。フルートが印象的、あくまで上機嫌に明るい風情が続きます。露西亜風暑苦しい金管炸裂!に非ず、木管による夢見るような軽快な音形躍動して、華やかな快速楽章でした。ここはスケルツォ楽章に相当するのでしょうか。(8:58)

 懐かしい甘美な世界溢れる第3楽章「Andante」はいっそうデリケートに洗練されたTchaikovskyといったところか。オーボエと弦が切なく絡んで切々と哀しげな歌は絶品でっせ。中間部ちょいと雰囲気は変わって、Rchamaninovを予感させる甘美もありました。延々と続いてここが一番長い緩徐楽章也(14:34)。第4楽章「Allegro moderato」は堂々たる構えもあくまで親密、そう以前に書いた通りのメルヘンな可愛らしい旋律、サウンドが続く大団円。セレブリエールの個性か、露西亜風泥臭さ皆無(ちょっぴりBorodinが香るけど)あくまで上機嫌に、抑制が利いたバランス表現であります。ホルンはもっと強奏したほうがオモロいねんけどなぁ。スコットランドのオケはあくまで淡彩です。(12:54)

 交響曲第9番ニ短調は一楽章のみ、後人により草稿から補筆完成されたとのこと(ガヴリル・ユーディン/1905年生まれの指揮者らしい。1948年初演)。前作品の屈託ない明るさに比して悲劇的であり、サウンド的にも露西亜臭をかなり感じさせるもの。晩年は多忙と楽想の枯渇に苦しんだ由、美しい旋律サウンドもやや型通りかも知れません。寂しく、消え入るように作品は終わりました。(10:31)

(2016年10月2日)

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written by wabisuke hayashi