Gershwin ラプソディ・イン・ブルー/パリのアメリカ人/ピアノ協奏曲へ調
(アーサー・フィードラー/ボストン・ポップス管弦楽団/アール・ワイルド(p))他


RCA BVCC-8820 Gershwin

ラプソディ・イン・ブルー
パリのアメリカ人(以上1959年)
ピアノ協奏曲へ調(第2/3楽章1961年)
アール・ワイルド(p)

Strike Up the Band/Love is Here to Stay/The Man I Love
ピーター・ネロ(p)

変奏曲 ”I Got Rhythm”
アール・ワイルド(p)(1961年)

アーサー・フィードラー/ボストン・ポップス管弦楽団/パスクワーレ・カルディルロ(cl)

RCA BVCC-8820 

 このCDはオークションにしばらく出し続けて、いくら安くしても買い手は付きません。なんでかなぁ、素晴らしい名曲演奏なのに。処分理由はピアノ協奏曲ヘ長の第1楽章が収録されない、といった中途半端選曲+パブリック・ドメインだから、その気になればいつでも聴けるワイ、といった安易な発想です。作品も演奏もお気に入りなんですよ。音質も良好。

 アール・ワイルド(Earl Wild, 1915ー2010)は亜米利加往年ののテクニシャン、この時期40歳代脂の乗り切ったころの記録でしょう。Grofe版ゴージャスな大規模管弦楽伴奏、ノリノリのスウィング感、ピアノもさっぱりとした切れ味を誇るもの、途中カットがないのもありがたい。ゴージャスな演奏だけど、リズムは重くないし、フレージングに要らぬタメもないもの。ボストン・ポップスって所謂”軽音楽”(死語)だけど、本家本元はボストン交響楽団(から首席クラスを抜いているらしい)厚みがあって、洗練され夢見るように美しいオケ。アール・ワイルドは、いかにも楽しげにのびのびと弾いております。(途中飛ばして)ピアノ協奏曲ヘ調第2楽章「Adagio」って、いかにも遣る瀬ないブルースのトランペット絶妙な開始、この辺りほんま上手い洗練されたオケ(管楽器)やなぁ、感心します。

 気怠い風情を打ち破るようにテンポ・アップして、淡々軽妙にピアノ登場。作品的には「ラプソディ」より作曲者の個性がいっそう際立って、ハリウッド風魅力的旋律横溢。やがって夕闇のトランペット回帰、しっとりとしたピアノとの対話が続きます。終楽章「Allegro」は切迫したリズム+変拍子?この辺りがバーンスタインに影響与えているんでしょうね。第1楽章の旋律回帰して、ま、ポップなブルース旋律も古典的風情をちょっぴりまとって、全体の統一感を築いているのでしょう。楽しげなノリ、華やかなオケを聴いていると、なぜ第1楽章が収録されんのか!ハラ立たしい。

 そして文書の冒頭に戻る〜嘆きとなります。じつは既に第1楽章はネットより入手済。

 「パリのアメリカ人」も名曲やなぁ、この作品のオーケストレーションはGershwin自身ですよね。フクザツな管弦楽技法を駆使して描き出される繊細な色彩の変化、眼前に浮かぶお登りさんの視点、パリの街の喧騒。亜米利加から世界に与えた影響の大きさを実感させる名曲中の名曲!例の如し、しっとり上品なオケの響き+リズム感のキレが同居しております。

 残りはフィードラーの面目躍如、勇壮な行進曲に仕上がっている「Strike Up the Band」、愛を優しく語る甘美な「Love is Here to Stay」(これ以降ピーター・ネロ登場/ほんまもんのジャズでっせ。ドラムもベースも登場)、「The Man I Love」って、ピアノ協奏曲の第2楽章とほとんど風情は同じ。ジャジィなリズム感はピーター・ネロの縄張りでしょう。

 著名な変奏曲「I Got Rhythm」〜ワイルド復帰、快速パッセージを流暢にこなしておりました。

 *余計な情報。ラプソディ・イン・ブルーの演奏はアール・ワイルドとしたが、ピーター・ネロの1965年録音もあるんです。CD表記はエエ加減っぽいから、どちら正解かちょっと自信はありません。

(2014年8月17日)


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written by wabisuke hayashi