ガーシュウィン 魅惑の世界(Gershwin Plays Gershwin)
Shilkret 「Make Believe」 Gold 「Grieving for You」 Kern 「Land Where The Good Songs Go"Miss 1917"」 Whiting 「Some Sunday Monning」 Gershwin ラプソディ・イン・ブルー(ピアノ・ソロ版) ジョージ・ガーシュウィン(p) パリのアメリカ人(演奏者不明) TAKOMA D272917 たしか1,000円で購入 お恥ずかしい昔のコメントともかく、購入経過幾星霜、再聴インターヴァル10年以上、すっかり草臥れ中年道真っ逆さまに下り落ちて、21世紀は廉価盤の時代に〜更にパラダイムの転換は進みつつあるようで、”円盤=旧態”の時代が到来したようです。SP、LPであれCDであれ、MDでもカセットでも良いのだけれど”形あるもの”に対する愛着は過去のものとなって、データで音楽を聴く時代に至っているのでしょう。幸い「古典音楽」は保ちがよろしくて、音楽そのものは100年〜300年経ても遺物にならぬのがエコロジーであり、エコノミーであります。 CDそのものが安くなったし、知名度音質云々言わないんだったら、ネットでフリー音源が拾える時代となりました。贅沢物だった過去の思い入れを求めて(やや)金満中年は湯水の如くCDを購(あがな)うが、若い頃の激しい渇望感(思い入れ/集中力)は蘇りません。このCDはおそらく1990年頃に購入したものだけれど、ウキウキと楽しいのは前提として、未だにその詳細がわからぬ一枚であります。作曲者の残したピアノ・ロールは既にCD復刻されているが、ラプソディ・イン・ブルー(ピアノ・ソロ版/ちょうど13分)以外は上記作品が収録されておりません。そもそも「ピアノ・ロール」とはワタシが勝手に云々しているだけで、このCDにはなんの情報もないんです。さらに「パリのアメリカ人」は豪華オーケストラ版(演奏者不明)ですし。 ネット情報を探すと、どーもNMLで聴けるものと同一音源らしい(これも情報は不親切)・・・閑話休題(それはさておき)、Jopplin(ラグ)とかこの辺りの”亜米利加音楽”はお気に入り、賑々しくて明るく、ややのんびり、素朴な活力に溢れてノリノリの世界は(旋律も演奏も)大好きです。ルーツは中学生時代、担任が音楽の先生だった関係で音楽室を私物化、昼休み放課後にガンガン在庫LPを聴いておりました。バーンスタイン(当然旧録音/コロムビア盤)に一発で痺れました。爾来、ずっとGershwinの大ファンに。もう40年でっせ、人生あっという間だ。 ラプソディ・イン・ブルー(ピアノ・ソロ版)はちょうど13分だから快速、例の”鶯の谷渡り”もカットされていないからテンポはかなり速い。思わせぶりな間もほとんどありません。テンポもくるくると変化します。それが作曲者の意志だったのか、それともピアノロールの収録限界との関係だったのか?ワタシは前者と見ましたが。マイケル・ティルソン・トーマスがオーケストラと合わせて録れた(1976年)のが、この音源と思います。 さて、問題の「パリのアメリカ人」の件。硬質で金属的な響き、厚みもあって豪華。少々腰は重い。アメリカンなノリではない、かなり生真面目に堂々と細部描き込んだ演奏・・・ウィリアム・スタインバーグ/ピッツバーグ交響楽団と類推いたしました。サウンド印象はまさにそんな感じ。以前所有していたCDは処分済み、LPでいえばこれじゃないか。 (2010年5月28日)
これはむしろ海賊盤に分類されるべきなんでしょうか。もう10年以上のおつきあいですが、なんかフツウのお店屋さんで買ったもの。ジャズのCDといっしょに並んでしました。Gershwin Plays Gershwinとなっていますが、まさかね?ちゃんとしたステレオ録音だし、ピアノ・ロールによる再生なのかな、と想像しています。 前半4曲は、有名な曲(ミュージカル?違うかな)らしくって、軽快でたのしいラグ・タイム。ピアノの音色が、いかにもってな感じのちょっとチープで、場末のバーの雰囲気。コンサート・グランドの気取ったところなんて微塵もなし。 こういったピアノ・ロールを再生して集大成した録音は存在するのかもしれません。きっとその道の人は詳しいんでしょうが、ま、ワタシは気軽に楽しむだけ。 有名な「ラプソディ」は、ティルソン・トーマスがオリジナルのジャズバンドと合わせて録音してましたね。FMでなんどか聴いた記憶がありますが、まさにその通りの演奏。きっと同じピアノ・ロールでしょう。快速で、ノリノリ。プレヴィンもバーンスタインも大好きだけど、これを聴くと、もっとうんとジャジィで気取った歌い回しなんかに縁はなし。 魅力的な旋律の連続だから、じっくり歌いたくなるところはたくさんあるし、頭の中でもこの曲はそういうイメージでしっかり固定されていますよね。でも、じつはもっとスッキリ・サッパリで、落ちつきが感じられないくらい急ぎ足。「シンフォニック」とは無縁なんだな。ウキウキと嬉しい演奏で、これも最高です。 「アメリカ人」は、ちゃんとしたオーケストラの演奏です。でもなんのクレジットもなくて、音的にはいかにもステレオ初期でやや金属的で、肌理も粗い。が、じつに豪勢でオーケストラの響きはたっぷりと瑞々しい。スケールも貫禄も、スウィングも充分。まちがいなく、一流オーケストラでしょう。音源の海賊流用と考えると、年代的にスラットキン(お父さんのほうね)か、バーンスタインでしょうか。はたまたフィードラー?(真剣に調べる意欲なし) マイナー狙いばかりでいくと、こういうCDも手に入ります。きっと滅多にないCDと思うんですけどね。ちょっと自慢です。
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