●To おたよりありがとう
藤原さんからのメール〜ハスキル/シューリヒトのMozart
藤原さん,お手紙ありがとう
ときどき、丁重なメールをいただいている藤原さんから、ハスキル/シューリヒトのMozart のご感想をいただきました。もともと、リリー・クラウスのコンサート・ホール盤に興味を持たれて「買った」とのお話しをいただいた関係で、ご紹介したCDです。
ワタシの所有しているものは、ジャケット・デザインが「コンサートホール」と同じPRELUDIO盤。たいへん気に入っているのですが、ひとそれぞれの好みがあって楽しいもの。Mozart
ピアノ協奏曲第19番ヘ長調K459
ピアノ協奏曲第 9番 変ホ長調K271「ジュノーム」シューリヒト/シュトゥットガルト放送交響楽団 /ハスキル(p)
PRELUDIO PHC2140 モノラル録音(価格忘れました。きっと1,000円では買えなかったはず)予想通り透明で繊細なピアノと、飄々とした勢いのある絶妙なバックが期待通りの演奏。淡々として、ほとんどなんの虚飾もないようで、実は無限のニュアンスに富んでいて凄い(と、ワタシは思います)。
「ジュノーム」は、冒頭の低弦の効いたシューリヒトのバック、そして可憐なハスキルの旋律が聴こえてくると、もうマジックに引き込まれますね。この曲はとくに「歌」を感じさせる名曲で、全編に幸せな味わいに溢れ、ハスキルは細かいニュアンスが最高で、ちょっとした旋律の節のためらいが効果的。。シューリヒトのバックも理想的なバランスと味わい。
ハスキルのピアノは意外なほど骨太で、明快極まりなし。録音は放送録音らしく、曇っているが、聴きづらくはない。(というのがワタシのデータベースの感想。このCDでは、ライヴ・ノイズは聴こえない。カットしたのかな)
↓以下、藤原さんのメールから。
ITM Mediaなる会社のITM950021という怪しげなシロモノ。
いよいよ海賊道にわけいりつつあるのかもしれません。値段は1200円もしました(あれれ)。
さて、ジュノームであります。
問題のCDは、19番とカップリング。
ケース裏の表記では オーケストラはRadio Stuttgart Symphony Orchestra
演奏時間はジュノームが29.51、19が27.18 と一曲単位(楽章ごとではありません)。録音日時に関する表記はありませんが、インターネットにシューリヒトのHPがあり、 それによればジュノームは52年、19番は56年となっています。
第一楽章 シューリヒトの伴奏が決然というか雄大というか。早めのテンポで来るの かなと思いきやその逆。10分はかかってます。音楽はいやがおうでも立派なものとな る。ザルツブ ルクでの、ボスコフスキーとのヴァイオリンコンチェルトはまだまだ、ロココ風とい う感 じがしますが、ジュノームでは剛直な音楽が流れる。
この曲がそれまでのコンチェルトとは一味違った名曲なのは、吉田秀和「私の好きな 曲」での楽譜→私には読めない!だらけの文章を通じて力説されるところですが、 も、 この演奏をきくとなんとなく納得してしまいます。
第二楽章は嘆き節になりかかって いて、もう少し軽く、と思わぬでもない。
一番感動したのが、第三楽章。ハスキルのばりばりと弾いているのが かっこいい。そういえば、彼女はリパッティの先生でしたね。
しかし、音は悪い。ハスキルの高音がところどころ割れています。低音はもともとこ もったような音です。といって小さな音で聴くとシューリヒトのニュアンスがわかり ません。
●19番も音は悪い。56年録音なら、シューリヒトがデッカのハフナー(冒頭、たれ ぱんだ 風))を入れた年でステレオの最初期。ステレオ導入はまだまだ不安があったとはい え、モノで入れ たコンサートホールの担当者の先見の不明をうらみたくなります。
第一楽章、33秒から38秒までの間、何回か、ぱたんぱたんと叩くような音がし ていま す。ほかのところでも何回かある。 ひょっとしてシューリヒトが指揮棒で?まさか…。それから一分半ほどして傷のある ようなずりっという 音。元のテープがわるいのでしょうか。ライブをこっそりいただいて、拍手だけカッ トしてしまったのか、 「ごほん」というのもきこえますし。ここまで来ると興味津々。
でも、あ、シューリヒトだ、という感じはこっちのほうが強い。軽い様にみえて低音 が ささえている構造もそうだし、ところどころのさびしさもそう。
それにしても、いまだにこの二曲の演奏の印象、こころのなかでまとまっていないみ たいです。
●この録音に対する金田さんからの情報
【♪ KechiKechi Classics ♪】
●愉しく、とことん味わって音楽を●
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