Mozart アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク/Beethoven エグモント序曲/Smetana 交響詩「モルダウ」/
Liszt 交響詩「前奏曲」(フェレンツ・フリッチャイ/ベルリン・フィル/ベルリン放送交響楽団)


http://carlosb1975.blogspot.com/2011/04/fricsay-dirige-mozart-beethoven-smetana.html Mozart

アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク ト長調 K.525 (1958年)

Beethoven

エグモント序曲(1958年)

Smetana

交響詩「モルダウ」(1960年)

Liszt

交響詩「前奏曲」(ベルリン放送交響楽団1959年)

フェレンツ・フリッチャイ/ベルリン・フィルハーモニー

ネットにてLP音源ダウンロード可能 

 ポスト団塊の世代=人数少なく影の薄い世代である私達には、クラシック音楽のファンが多いようです。こどものころLPはとてつもなく高価であって、1,000円か1,200円の廉価盤(現在の感覚では?!学生ラーメン100円の時代ですよ)しか買えなかった・・・1970年前後、ステレオ初期とかモノラル時代の音源が安く出ていて、フェレンツ・フリッチャイ(1914年- 1963年)も、その辺りの代表でした。ステレオ時代に至って、あっという間に寿命が尽きて残念至極なハンガリー出身、名匠中の名匠。

 この懐かしい音源をネットで見つけてみると、現在の耳で聴いて、音質、演奏とも看過できぬ素晴らしい水準の演奏であったことが理解できました。貧しかったから、仕方がなくフリッチャイ(他その辺りの往年の名指揮者)を聴いていたけれど、それは幸いなことだったんですね。貧しい若者に幸いあれ。なにもなかったが、すべてが揃っていた青春時代。

 選曲が「いかにも」風名曲揃いなのも、妙に懐かしいじゃないですか。

 「アイネ・ク」はここ最近、古楽器やら削ぎ落とした小編成で聴くべき時代に至ったのかも知れぬが、こんな充実した、厚みのあるアンサンブルでも違和感皆無。それは軽妙なる愉悦とは言い難いが、引き締まって適度な緊張感が意外とモダーンだからですね。極めてシンフォニック。立派な構成感+細部表情付けもていねいな交響曲風演奏です。カラヤンのゴージャスな響きを想像すると、かなり違って質実堅実真面目な感じ。ワタシはこんな感じの演奏で名曲に出会ったのでしょう。(実際は小学4年、カール・ミュンヒンガーの17cmLPでこの作品に痺れました)当時定評あったブルーノ・ワルターのLPは高くて買えなかった・・・

   これが「エグモント」に至ると、更に、いっそう現役そに通用する重厚+推進力+緊張感集中力であります。ベルリン・フィルのサウンドは中低音が充実していて、後年、カラヤン色に完全に染まる前の硬派を残しておりました。

 「モルダウ」もよく歌って、意外と郷愁を感じさせるもの。細部描き込んで曖昧さはないんです。1967年カラヤンの録音はもっと緩く、優雅かつ重い演奏だったと記憶するが、ずっとこちらの筋肉質サウンドが嗜好に合う・・・はずだけれど、カラヤン盤はもう20年ほど聴いていないから安易なことは言えぬな。

 ラスト「前奏曲」は、ベルリン放送交響楽団(現ベルリン・ドイツ交響楽団)の担当となります。このオーケストラは歴代指揮者に恵まれ、録音も多いが、やや洗練やら柔軟性に欠ける印象がありました。まして、この作品。申し訳ないがアマ・オーケストラが盛んに取り上げるので、何度生演奏を聴いたことかっ!(だからCDで聴く機会は滅多にない)

 これが久々、硬派だけれど美しい旋律が浮き立って”名曲やなぁ”との手応えしっかり感じました。フリッチャイはリズムのキレが見事なんです。ここでのベルリン放響は、ベルリン・フィルに負けぬ立派な、見事な演奏でありました。

 繰り返すが、音質演奏ともまったく現役。驚き。

(2011年5月20日)

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written by wabisuke hayashi