To NAXOS

Franck 交響曲ニ短調(ノイホルト/ロイヤル・フランドル・フィルハーモニー)


Franck

交響曲ニ短調
前奏曲、コラールとフーガ(ピエルネ編)

ノイホルト/ロイヤル・フランドル・フィルハーモニー
NAXOS 8.550155 1988年録音 833円で購入。

   ワタシがNAXOSを意識して買った初めてのCD。
 たしか新しいフランクのシリーズが始まっているから、このCDはもう廃盤かもしれません。ノイホルトはほかにBrucknerの第4番も録音していましたが、残念ながら聴く機会なし。(これもティントナーの録音が出たから廃盤かも)

 「フランドル」という地域(録音はアントワープで)のオーケストラのようですが、これ「フランダースの犬」のフランダースですよね。
 録音では珍しいベルギーのオーケストラで、NAXOSとしては初期の録音。しかも、ピエルネ編の「前奏曲、コラールとフーガ」という他では聴けない貴重な曲も含まれている渋い1枚。ノイホルトはグラーツに生まれ、主にオペラ畑で活躍する中堅とのこと。

* レコード芸術1999年1月号の284ページに「ドイツのマイナーおもしろ指揮者、最後の砦」という素晴らしい称号で紹介されていますね。そういえばレコード屋さんで「リング」を見かけたような記憶があるなぁ。(高かったから無視してた)こういう人はバリバリ廉価盤を出して欲しいもの。

 交響曲ニ短調は、バランスよく仕上げるのは難しくて、オーケストラは上手くないと暗くって、重苦しくって、聴いてられない曲でしょう。録音もすっきりとしたほうが映える。ワタシはモントゥー/CSOの輝かしい演奏が一番と思っていますが、このCDも予想外の健闘。

 しっかりとしたアンサンブルで、細部まで配慮が行き渡った繊細な演奏。この曲特有の厚ぼったい響きを、むしろスッキリ表現しています。洗練された音色で、無名・ローカルオーケストラにありがちなヒステリックな薄さもありません。やや腰は軽めで、耳あたりもよく爽やかで、聴きやすい。押しつけがましい強面とは無縁の演奏。

 第1楽章は、いきいきとして重厚さより、華やかで軽快なノリ、第2楽章は少々コクと貫禄が足りません。最終楽章は早めのテンポで流れも良い、オーケストラはよく歌ってやさしい。柔らかい木管の音色が聴きもの。

 こうしてみると、いかにもフランス風オーケストラ、なのかと思います。

 ピエルネ編による「前奏曲〜」は、オリジナルのピアノによる密やかな官能性に勝るものではないでしょうが(ワタシはヨハンセンの演奏で楽しんでいます。VOXBOX CD3X 3032)繊細で吐息のような美しい旋律は充分楽しめます。フランク特有のセピア色の味わいを生かした編曲で、弦と木管を中心とした静かな幻想曲。ラストの爆発も力強く、聴き応えあり。


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written by wabisuke hayashi