Franck 弦楽四重奏曲 ニ長調
(レーヴェングート弦楽四重奏団1955年)


ネットよりLP音源拝聴 Franck

弦楽四重奏曲 ニ長調

レーヴェングート弦楽四重奏団
アルフレッド・レーヴェングート(v)/モーリス・フュエリ(v)/ロジャー・ロシュ(va)/ピエール・ベスー(vc)

1955年アムステルダム・バッハ・ザール録音/ネットよりPHILIPS/LP音源拝聴

 例の如しの音楽の雑談ばかり。

 今は昔、若く貧しい頃、LPもCDもとっても高価なもの(メジャーレーベル2〜3,000円?)だったし、廉価盤ばかり買っておりました。手の届きそうな廉価盤だって熟考に熟考を重ね、カタログとか書籍を穴が空くほど読み込んで、憧れを強めていたもの。VOXはLP時代から”安くて音質イマイチ””演奏家知名度二の次”シリーズを愛好しておりました。某「推奨名演奏」本に

Franck 弦楽四重奏曲 ニ長調 レーヴェングート弦楽四重奏団
 それはVOXのLP?記憶間違いか50分に及ぶ大曲はLP一枚分、それのみ収録。その後、レーヴェングート弦楽四重奏団が参加するCDを入手したけれど、Franck にはとうとう出会えない・・・爾来幾星霜。パブリック・ドメインに至ったこの音源は、ネットからカンタンに拾えるようになりました。

 レーヴェングート弦楽四重奏団は1929年〜Alfred Loewenguth(1911−1983)によって結成された仏蘭西の団体とのこと。18歳!〜ステレオ時代まで活動していたそうです。ま、ワタシは太古録音を好んで拝聴する性癖に非ず、ひたすら懐かしさから、待望の音源入手を喜んだもの。音質は充分、夜遅く静かに堪能すべき風情たっぷり有。低音を強調せず、大仰なスケールを強調しない(線の細い?繊細な)演奏、大時代なポルタメント奏法も見られません。

 第1楽章「Poco Lent-Allegro」〜例の如し、ゆったり朗々かつ怪しげに歌う大仰な序奏主題(レーヴェングートによる第1ヴァイオリン)は全曲を支配して、オルガンの響きを連想さます。たっぷりとヴィヴラートを効かせて、このアンサンブルは美しい第1ヴァイオリンが主導しております。暗く快活な第1主題から〜やがてヴィオラから開始されるフーガは激高して・・・けっこう難解かつ甘美な楽章でしょう。ゆらゆら微細なニュアンスたっぷり、吐息のようなセピア色のアンサンブル。序奏主題が回帰して集結する16分、テンポは入念にちょっと遅目か。大きな楽章です。

 第2楽章「Scherzo: Vivace」。Wikiには「メンデルスゾーン風」となっている(←楽曲解説はド・シロウトにはムツカし過ぎてわかりにくい)けれど、+不安な遣る瀬ない風情漂って、全休符(パウゼ)の効果あいまって、軽やかであっても夜の妖しい雰囲気たっぷり漂います。せわしない細かい音型+ピチカートにあふれて、わずか5分の幻のように過ぎるところ。

 第3楽章「Larghetto」。纏綿たる叙情的な開始、暗鬱であり甘美でもあります。ここも濃厚な表現に非ず、さっぱりと粋、薄い響きのまま、徐々に熱を帯びる説得力。11分、これも少々テンポは入念でなのでしょう。終楽章「Allegro molto」は風雲急を告げるユニゾンが冒頭(他各楽章の主要)主題回帰する優しい静けさと対比されます。この後の疾走する展開はちょいと難解フクザツなもの、シンプルわかりやすく仕上げぬのはFranck の真骨頂、前楽章の残像があちこち登場します。妖しげに揺れ動く情感たっぷり。

 レーヴェングート弦楽四重奏団はラストへ向けて、熱を帯びて集中力は高まるばかり。第1楽章冒頭が静かに再現され、終楽章冒頭の威圧的なユニゾンが復活して全曲を閉じます。この楽章は13分に届かないから、ちょっと速めか。

(2015年6月28日)


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written by wabisuke hayashi