Vivaldi/Bach /Purcell(ルドルフ・バウムガルトナー
/ルツェルン音楽祭弦楽合奏団ライヴ)


membran Vivaldi

2台のヴァイオリンのための協奏曲 変ロ長調RV524

Paul Ezergailis/Roger Pyne(v)

Purcell

シャコンヌ ト短調 Z. 730

Bach

ピアノ協奏曲 ト短調 BWV.1058

ミエチスラフ・ホルショフスキー(p)

以上 1981年9月4日アスコーナ・ライヴ

Mozart

「5つのフーガ」 K.405〜ニ長調 (平均率クラヴィア曲集第2巻第5番 BWV874)/ニ短調 (第8番 BWV877 嬰ニ短調)/ホ長調 (第9番 BWV878)

1968年9月2日、ロカルノ・ライヴ

Vivaldi

チェロ協奏曲ホ短調RV40

ピエール・フルニエ(vc)

Mendelssohn

弦楽のための交響曲第10番ロ短調

以上1970年9月11日、アスコーナ・ライヴ

ルドルフ・バウムガルトナー/ルツェルン音楽祭弦楽合奏団 

membran 223603/5 10枚組

旧ERMITGEのライヴ集からだけれど、現代楽器アンサンブルの集中力、溌剌とした表情に感銘深いもの。・・・Bach ピアノ協奏曲ト短調 BWV1058〜ミエチスラフ・ホルショフスキー(p)89歳の演奏が収録されるが、枯れきった清廉な響きに、アンサンブルの縦の線がどうの、技術云々とか言及するのが空しくなるくらいの感銘を受けたものです。(2008年10月「音楽日誌」より)
 旧ERMITGE=AURAの廉価盤CD(スイス・イタリア語放送局音源ライヴ中心)には1990年代ずいぶんとお世話になりました。やがて21世紀、その大部分が10枚組4セットにて再発されました。記憶では1,780円とか2,000円とかその辺り、2006年に再プレスされ現役です。良心的な音質ばかり。もちろん価格的にも。ルツェルン音楽祭弦楽合奏団(Lucerne Festival Strings)は、例のクラウディオ・アバドのオケじゃなくて、1956年、ヴォルフガング・シュナイダーハンとルドルフ・バウムガルトナーによって創設された現代楽器の団体とのこと。現役らしいが、最近以前ほどの話題は聞けなくなりました。

 現代楽器による室内アンサンブルとか、バロック音楽のコンピレーションものって、人気は薄くなっているんじゃないでしょうか。バロック演奏スタイルは、ディジタル時代と並行してガラリ変わってしまったからね。この一枚はホルショフスキー、フルニエといった往年の巨匠との競演がキモ。上記、以前の素っ気ないコメントにもホルショフスキーへの言及しかありません。

 Vivaldi始まりました。楽曲表記が不親切で「RV524」というのはネットにて調査したもの(便利な時代となりました)。例の如し屈託のない、明るい旋律が躍動して、陰影豊かに歌われます。Paul Ezergailisって読み方不明だけれど、オーストラリア出身現在指揮者として活躍されている人なんじゃないか。Roger Pyneはアウラ弦楽四重奏団のメンバーではないかと類推。いずれヴィヴィッドでライヴの感興溢れる演奏であり、ちょっぴりラフ、神経質に縦線を合わせることより愉悦を重視した楽しい演奏です。

 Purcellのシャコンヌ ト短調 Z. 730は、彼(か)の大Bach に負けぬ名曲中の(四声の)名曲!Brittenの編曲版でしょう。おそらく原曲はうんと素朴静謐なテイストと想像する(イル・ジャルディーノ・アルモニコの演奏ではもっとリズミカルだ)が、ここでは纏綿と雄弁な「ラ・メント」となっております。次のBach こそ、このCDのキモ。年寄りを大切にするのは日本の美しい文化だけれど、”枯れきった清廉な響き・・・技術云々とか言及するのが空しくなるくらいの感銘”というコメントに加筆の必要を感じません。絢爛豪華驚異的技巧駆使!のピアノ作品ばかり聴いていたら、こんな音楽的解毒剤が必要となるんです。第2楽章「アンダンテ」の安らぎはほとんど天国的。終楽章に於ける快いリズム感も同様。

 Mozart のK.405を、K.404aと(ずっと)勘違いしておりました。いずれ大Bach の作品を我らがヴォルフガングが編曲した価値ある作品也。19世紀20世紀、相次いでBach 編曲作品は生み出されたが、その嚆矢的存在でしょう。ちょっと大柄、敬虔荘厳なる雰囲気に溢れ、まるで「フーガの技法」弦楽版を拝聴しているような錯覚に陥りました。

 Vivaldi チェロ協奏曲ホ短調RV40(これも表記が不親切)はもともとチェロ・ソナタ ホ短調RV40であって、 Vincent d'Indy(ヴァンサン・ダンディ 1851−1931)の編曲らしい。驚くべき勇壮雄弁演奏であって、うっかり聴けば俄にVivaldiとは気付かぬ浪漫テイスト。SchumannとかDvora'k同様の根性入れて、朗々纏綿たっぷり切々、スケール大きく歌っております。ラスト、Mendelssohnこそまさにほんまの浪漫派音楽也。しっとりと歌うこの音楽こそ、ルツェルン音楽祭管弦楽団にもっとも似合って、聴き手の耳にフィットいたしました。

(2011年12月25日)


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written by wabisuke hayashi