KATHLEEN FERRIER


Gala  GL 307 $2.99 Brahms

アルト・ラプソディ 作品53

クラウス/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団・合唱団(1947年録音)

Mahler

亡き子をしのぶ歌

ワルター/ウィーン・フィルハーモニー(1949年録音)

Bach

マタイ受難曲より「Grief for sin」
ミサ曲ロ短調より「Agnus Dei」

Handel

「メサイア」より「O Thou that tellesit good tidings to Zion」「He was despised」
「サムソン」より「Return O God of Hosts」
「マカベウスのユダ」より「Father of Heaven」

ボウルト/ロンドン・フィルハーモニー(1952年録音)

以上、カスリーン・フェリア(a)

Gala  GL 307 $2.99で個人輸入した(はず)〜STEREOという表記が厚かましい

 これはDECCA・EMI録音の勝手にCD復刻盤でしょう。フェリアは活動期間が短かったけれど、ワルターとの「大地の歌」録音によって、ワタシでもけっこう馴染みのアルト。でも、声にクセがあって、嫌いではないが、彼女の良さを理解するのに時間がかかってしまいました。(もしかして30年くらい)

 じつは「Great Voices Of Opera U」(History40枚組)に彼女の一枚がありまして、相当乱暴な収録(「大地の歌」〜表記がないが、どうもワルター/NYPOとのライヴらしい〜3曲彼女の歌のみ取り出したりしている)ながら、「気品」を感じました。このCDも買ってから5年以上は経っていると思いますが、ようやく聴き直す機会を得ました。

 ブラームスの合唱曲は、渋揃いの作品の中でもいっそう地味でしょうか。「アルト・ラプソディ」はルートヴィヒ/ベームのCDを所有していたはずですが、作品には記憶がなく、集中して聴いたのはこの演奏が初めて。(オリジナルではないので、このCDを聴く限り)音の状態が芳しくない。ありがちな、ノイズとともに、音の鮮度まで取り除いてしまったような曇った音質。

 フェリアの声質は太く、音程が不安定に聞こえます。きついヴイヴラートは相当に個性的。オケにけっして負けない(融け合わない)重い存在感。暗く、晦渋さ漂うこの曲を、いっそう縁遠いものに感じさせる演奏。

 しかし、9:40辺りから曲調が安らぎとなり、合唱と絡むところからの暖かい包容感は絶品でしょう。まるで天国への階段を上るような幸福感。オケは控えめだけれど、デリカシーを感じさせるものであり、静かな合唱も味わい深いもの。音質は耳が慣れれば気にならないもの。

 マーラーは、冒頭のオーボエ、ホルンが始まったところから、オケの絶妙な美しさに心奪われます。音質的にはブラームスよりずっと良くて、フェリアの存在感のある声質も明快にとらえられています。ウィーン・フィルの練り上げられた繊細な響きが絶品で、もう現代では望めない個性のぶつかり合いがなんともいえない。

 ワルターも絶品だけれど、ここであらためてフェリアの「気品」を確認した思い。声そのものに「力強いドラマ」がある。「亡き子をしのぶ歌」は何度も聴いているはずだけれど、こんなに重く、心打つ名曲であったことに気付きました。(正直言ってマーラーの魅力にとり憑かれそう)

 ボウルトとの録音は、たしかフェリアが亡くなったあと、バックのみステレオで録音し直したものがあったはず。(カセットで録音した記憶有)マーラーから、急にバッハへ行くとやや違和感があるが、この価格なら文句も言えません。

 現代では完全に消滅した「大時代的」演奏でしょう。豊かなオケに乗った、スケールの大きな歌には説得力があります。悲劇的な色合いが濃い。ヘンデルは、バッハに比べるとこのような演奏にも違和感が少なく、幸せで楽しい雰囲気に溢れています。


おまけ

「Great Voices Of Opera U」より「Kathleen Ferrier」

Mahler 交響曲「大地の歌」より
「秋に消え逝くもの」「美について」「告別」(1948年録音)
Gluck「オルフェオとエウリディーチェ」〜「What is Life?」(1946年録音)
Handel 「ロデリンダ」「クセルクセス」より(1946年録音)
Mendelssohn オラトリオ「エリア」より2曲(1949年録音)

フェリア(a)

HISTORY LC05057

 Histroryレーベルは激安過ぎて、ありがたみが薄れたり、ダブリ買いを気にしなくなったりする弊害を生みます。音質的にはヘンにいじってなくて聴きやすいものが多い。但し、「Great Voices Of Opera U」(Tは未聴)ではバックの表記がないのが残念。

 「大地の歌」(抜粋)は相当な針音だけれど、フェリアの歌はもちろん、オケの美しさが際だっていて全曲欲しくなりました。(おそらくワルター/NYPO。NAXOSから復刻済)


おまけのおまけ

 その昔、NHK-FMで早朝「バロック音楽の楽しみ」(いまでもやっているが)をやっていました。服部幸三さんの司会もろとも録音したテープが残っており、ヘンデル300年特集(ということは1985年か)でフェリアを特集してくれました。

Handel

オラトリオ「サムソン」より「主よ帰りたまえ」
オラトリオ「メサイア」より「良き訪れをシオンに伝えるものよ」(上のCDと同じもの)
オラトリオ「マカベウスのユダ」より「天なる父」
オラトリオ「メサイア」より「主は世の人に侮られ」

フェリア(a)/ボウルト/ロンドン・フィル(K20C9361のレコードの放送となっております)

 これが先に述べたように、オケのみ後でステレオで録音したもので、なかなか豊かで良い感じの音でした。続いて

歌劇「ジュリアス・シーザー」より
「風よ、この悲しみのために」「美しきヴィーナス」「瞳よ愛の矢よ」

エルキンス(ms)サザーランド(s)/ボニング/ロンドン新交響楽団(なんなんだ!このオケは?)も放送され、カセット・テープに残っておりました。なにごとも大切に取っておくと、あとで良いことがあるもの。MDに保存しましょう。(2001年1月12日更新)


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written by wabisuke hayashi