Elgar 「威風堂々」「エニグマ変奏曲」Elgar 行進曲「威風堂々」作品39 1〜5 ブリス/ロンドン交響楽団(1958年録音) エニグマ変奏曲 作品36 モントゥー/ロンドン交響楽団(1960年録音) LONDON 417 0878-2 @1,550円 2003年再聴。この曲、聴けば聴くほど好きになっちゃう。 ハイティンクがまだロンドン・フィルの指揮者をしていた頃(1970年代?)来日しましたね。Sibelius の交響曲第2番と、「エニグマ」を演奏したと思います。テレビ放映があって、Sibelius は当時から馴染んでいたけれど、Elgarはようわからんかった。イギリス音楽って地味渋系だし、こどもじゃわからないのかな?この年齢(とし)になると、こんな音楽こそジンワリ胸に浸みちゃって、もうたまりません。「ニムロッド」で茜色の空が黄昏ます。 手許在庫CDはずいぶんと増えて一度整理が必要〜閑話休題、数年ぶりのモントゥーだけれど、ボウルト盤(これは盤石の横綱相撲だな)と同じロンドン交響楽団でしょ。これがずいぶんと雰囲気が違う。 (悪い意味じゃないが)カルい、というか、旋律を引きずらない。歌い口が粋なんです。オーケストラに色気があるのは、この時期のロンドン響の特徴でしょう。洗練されていてお洒落。若々しくスタイリッシュ。メリハリもちゃんとある。けっこう疾走して、ラストの大盛り上がりもあるから、いや、文句ないでしょ。最初から最後まで、シミジミ美しいElgar。これぞモントゥーか。 あとは好き好きの問題だけど、「エニグマ」の表現としてはちょっと異質?かとも思いました。もっと、まったりゆったりして、地味で控えめ演奏こそ英国音楽〜アタマ硬いっすか?ちょっと引退系というか、穏やか紳士系の落ち着いた味わいで。こんなに色気も勢いもあるのは反則ワザ・・・というのは、けっして「この演奏はダメ」とかいう悪口じゃありません。 ちょっとした色合いの違い、で、各々個性と味わいが明快に出ている演奏は尊重しないと。けっして嫌いじゃありませんよ。サー・アーサー・ブリスの「威風堂々」は、ずいぶんと飾らない、淡々系の演奏でした。ま、お祭り軍隊行進曲だから、もっと羽目を外してても良いでしょ。(2003年8月7日)
1990年頃、LPとあわせてCDをおそるおそる買い始めました。まだCDは高価で、国内盤のレギュラープライスは3,000円くらいしたんじゃないかな。タマに安い輸入盤をみつけて買って帰ると「Made In Japan」だったりしました。つまり、1,550円でも安かったんです。(と、言い訳。のち同じCDが800円で投げ売りされたのも目撃) 組み合わせは異なりますが、いまなら両曲とも1,000円以下で買えますよ。このCDは(c)1988でU.S.A.製。音質はそう悪くないんですが、旧い映画音楽でも聴いているように、肌理が粗くて、トゥッティでは音が割れます。想像ですが、まだデジタル・リマスターに習熟してなかったんだと思います。 まず、けっこう有名なモントゥーの「エニグマ」から。たしか、最近レコード屋さんで見たのは「シベリウスの2番」と組み合わせていて、欲しかったけど「エニグマ」がダブってしまって残念。 モントゥー最晩年の手兵との録音ですが、この人、自然でふくよかで、上品でオーケストラを明快に鳴らすのが気持ちよい。いやもう、旋律を切々と歌わすことにかけては文句なし、最高。エルガーは、ドイツ音楽に対する指向があったそうで、ブラームスを得意とするモントゥーにとっては与し易かったのでしょう。自信に満ちた盛り上がりが熱い。LSOは、この辺りが絶頂期だったと思うんですよ。(最近の録音は聴いていませんが) ブリスの「威風堂々」。 この人、たしか本業(?)はイギリスの作曲家でした。1975年に亡くなっていて、このほかの録音は知りません。演奏ぶりは、ストレートで「タメ」とか「節回し」とは縁がないもの。アンサンブルの整え方もモントゥーに比べりゃ、落ちます。だいたい作曲家というのは、こんな感じの解釈が多いみたいですね。 それでも、このイギリスの国民的名曲を情熱込めて演奏しています。行進曲だからこれでいいのかも。元気が良くて、リズムも弾むよう。第3番ハ短調辺りが最高の切れ味。勇壮で誇り高き名曲です。 音質はいかにもステレオ初期、といった雰囲気ですが、さすがDECCA、旧さは感じさせてもそう曇った音質ではない。迫力はあります。 表紙の、エルガーを表した漫画は楽しいですね。
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