ENGLISH FESTIVAL
(リーパー/スロヴァキア放送交響楽団)
Elgar
エニグマ変奏曲
威風堂々 第1/2番
愛の挨拶
Delius
ブリッグの定期市
夏の庭園にて
リーパー/スロヴァキア放送交響楽団(CSR交響楽団表記)
NAXOS 8.550229 1989年録音 中古250円
NAXOSは「イギリスもの」収録には熱心で、かなりマニアックな(演奏者も含めて)作品をたくさんCDで出してくださっております。この一枚はこのレーベル初期のもので、イギリスの中堅(だと思う。生年不明)エイドリアン・リーパーは東欧のオーケストラで(イギリスものに限らず)ずいぶんとたくさん録音を残しております。ちなみにARTE-NOVAでもかなりの録音(グラン・カナリア・フィル)が存在するのは周知の通り。
(これサイト・アップ時点)なぜかNAXOSではDeliusが二枚しか発売されていなくて、あと他あちこち少しずつ収録、この一枚もElgar収録は売れ筋だけれど、Delius二曲は渋い・・・というか、よくわかりません。でも、ま、聴いていて充分楽しいけれど。正直、ものすごく録音が良かったりとか、器用で艶やかなオーケストラ、というわけでもなく、むしろジミな、ぱっとしない演奏というところか。
でもね、それはそれで良くできた、楽しめるCDだと思うんです。「エニグマ」は、息の長い、しずしずと語り続けるような大変奏曲だけれど、もの凄く上手いオーケストラで雄弁に演っちゃ台無しというか、節度を保って少々くすんだ響きの方が相応しい。ティンパニが活躍するでしょ?ここではちょっとカタめの音色でなかなかの腕前。あまり鳴らないオーケストラだけど、保守的に粛々と曲は進んでいって、けっこう味があります。
「あまり鳴らないオーケストラ」って、威風堂々みたいな元気な曲ではもっと地が出ちゃって、ますますぱっとしない。Elgarは穏健イギリス音楽中でも、ちょっと濃密でスケールの大きな味わいがあるでしょ。だから、この演奏では少々弱点が目立ちますか。でも、こんなもんです。充分です。贅沢言い出したらキリがない。わずか3分の「愛の挨拶」って、意外とオーケストラ版の録音は聴けないもので、貴重でっせ。ワタシは楽しめましたね、このCD。
あと、フィル・アップとしては充分贅沢なるDelius作品2曲(計27分)でしょ?こちらがツボにはまって美しい。静謐として淡泊な旋律が、「節度を保って少々くすんだ響き」「鳴らないオーケストラだけど、保守的に粛々」には似合っているんでしょう。隠棲した老人が静かに昔を偲んでいるような、視線の遠い風景が浮かび上がります。淡々として薄味。あるかないか、という淡彩なる旋律の変化。
最近、こういうパターンの音楽好きです。この文書執筆現在頭痛に悩まされているが、この音楽なら大丈夫。残念ながらNAXOS最新盤のカタログからは消えているよう・・・と、思ったら、Elgar部分のみ別組み合わせで出ておりました。Deliusの素敵な2曲は何処?(2004年7月14日)