Elgar 「エニグマ」変奏曲
(ユーディ・メニューイン/ロイヤル・フィル)
Elgar
「エニグマ」変奏曲(1994年)
「朝の歌」作品15ー2(1995年)
ユーディ・メニューイン/ロイヤル・フィルハーモニー
序奏とアレグロ ト長調 作品47
弦楽セレナード ホ長調 作品20
バリー・ワーズワース/ロイヤル・フィルハーモニー(1994年)
「威風堂々」第1番ニ長調 作品39(合唱付き)
リチャード・クック/ロイヤル・フィルハーモニー(1996年)
QUADROMANIA(membran) 222195-444 4枚組924円のウチの一枚
QUADROMANIA(membran/クアドロマニア)は、著作隣接権切れ歴史的録音+RPO音源を寄せ集めて、シリーズ発売されたのが2004年だったか。相場は4枚組で1,480円→ラストは1,000円以下で出ておりました。ワタシは例の如しで飛びついて散財しては、結局(いくつかは)処分〜なにが【♪ KechiKechi Classics ♪】だい!でも、愛とはけっして後悔しないこと・・・21世紀になると廉価盤入手に労苦は少なくなって、鬼のように激安盤を購入していたこと既に夢のようであります。2006年辺りからは、オークションで在庫整理を意欲的に行ってきました。
”寄せ集め”的コンピレーションも徐々に遠慮するように。若い頃はCD収録制限ギリギリまで詰め込んで欲しかった!が、最近、聴き手の集中力が続かない。「エニグマ」は名曲だし、お気に入りだし、油断するといくらでも在庫が増えてしまう・・・ロイヤル・フィルだけ取り上げても、これ以外にアンドレ・プレヴィン(1985年)、ノーマン・デル・マー(1975年)が棚中に存在する・・・英国音楽の神髄というか、精華というか、いやもうたいへんな名曲に間違いなし。
で、このメニューイン盤は、ロイヤル・フィルの粗野な金管を爆発させてなかなかの迫力。音質もよろしい(ちょっとハイ上がりでヒスっぽいが)し、違和感などあるはずもない立派な演奏だけれど、この作品には英国系・古今東西古豪の録音がたくさん残っております。少々練り上げが足りないというか、シミジミ静謐と黄昏感、落ち着きはもう少し欲しいところ。”煩悩”がちょっと前面に出て、溌剌とし過ぎているか。デリカシー不足かも。
でもね、名曲を名曲として聴かせる水準であります。「朝の歌」はわずか3分半の可憐な旋律が胸に染み込みました。
「序奏とアレグロ ト長調 」「弦楽セレナード」も、言わずと知れた(これまた)詠嘆の名旋律だけれど、ワーズワースはいかにもオーソドックスでおとなしい。作品の持ち味をそのまま生かしているのだろうが、演奏の個性を味わうべきものではないでしょう。「序奏とアレグロ」は、弦楽合奏と弦楽四重奏が対話する素敵な作品であって、ツボにはまればたいへんな切ない感銘が押し寄せる・・・そんな経験は何度もしております。
リチャード・クックも同様の穏健派であり、オーケストラのコントロールに弱さを感じるが、この「威風堂々」には合唱が入ります。先日知ったが、これは「戴冠式頌歌」作品44の歌詞なんですね。例えば「フィンランディア」なんかもそうだけれど、思わぬ合唱(人声)が入ると一気に雰囲気は盛り上がっちゃう・・・
(2008年10月31日)