Debussy 牧神の午後への前奏曲/管弦楽のための映像
(ダニエル・バレンボイム/パリ管弦楽団)


DG UCCG6188 Debussy

牧神の午後への前奏曲

管弦楽のための映像
ジーグ(Gigues)ーイベリア(Iberia)「街の道と田舎の道」「夜の薫り」「祭りの日の朝」ー春のロンド(Rondes de printemps)

ダニエル・バレンボイム/パリ管弦楽団

DG UCCG6188 1981年録音

 Daniel Barenboim(1942-亜爾然丁→以色列)もぼちぼち80歳、現在もっとも忙しい指揮者、ピアニスト。パリ管弦楽団(1975-1985)シカゴ交響楽団(1991-2006)のシェフを務め、1992年以降ベルリン州立歌劇場の総監督、 ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団を1999年創立以来率いて・・・華麗なる経歴の人でも、自分は彼の熱心な聴手ではありません。これも40年ほど前の録音。パリ音楽音管弦楽団→パリ管弦楽団への改組は1967年、その時7割のメンバーが入れ替わったとはWikiの情報、仏蘭西伝統的個性的なサウンドもインターナショナルとなりました。クリーヴランド管弦楽団の名手マイロン・ブルーム(Myron Bloom,1926ー2019亜米利加)が1977年に移籍して、この録音にも参加しているはず、彼のホルンはエッチな仏蘭西風とは縁も所縁もない明朗なもの、個性がまったく違う。

 バレンボイム39歳、若き日の演奏は期待以上、パリッとした清潔を感じました。牧神の午後への前奏曲のフルートはミシェル・デボスト(Michel Debost, 1934ー仏蘭西)パリ音楽院管弦楽団入団は1961年、パリ管には首席として1989年迄在任。独逸系とは異なる明るい華やかさはあっても、気怠い個性際立つ存在に非ず、全体アンサンブルに溶け込んでさほどに目立たない。デリケートなアンサンブルはバランスよろしく、曖昧エッチなユルい雰囲気で聴かせるのではない、しっかりとした”軽い”アンサンブルでした。作品の魅力を充分際立たせる演奏。(10:31)

 管弦楽のための映像は各々蘇格蘭、西班牙、仏蘭西を素材にした作品とのこと、基本三管編成。ジーグ(Gigues)は冒頭フルート先頭に自在な木管旋律が目立つところだけれど、それも際立たせぬバランス意識、全体としてかっちりとしたアンサンブルに軽めのサウンドを基調として美しい。けど、もっと個性とか色気とか、どこか強調がほしいところ。後年の録音も含め、バレンボイムってベターとした、変化に乏しいイメージないっすか?(8:43)

 イベリア(Iberia)。西班牙風情モロな「街の道と田舎の道」はカッコ良いリズム感躍動、カスタネットもタンバリンも素敵だけど、あまり目立たない。(音質良好だからちゃんと存在は認識可能)(7:40)「夜の薫り」は甘美妖艶な湿度たっぷり。管も弦もセクシーだけど、独墺系厚みのあるサウンドに非ず、サウンドうまい具合に混じり合って仕上げはデリケート、遠くのホルン、シロフォンの存在感も明快。(9:24)「祭りの日の朝」は、迫りくる祭りの期待感が湧き上がって、ウキウキするような”ノンビリ”感、弦のピチカート、小太鼓がこの風情を盛り上げて、多彩な管楽器の使い方も個性的な名曲。バレンボイムはここでも個別パートを浮き立たせぬ、バランス優先を感じさせました。素っ頓狂なヴァイオリン・ソロにタンバリンの一撃!ラストの金管もリアルな音質。(4:49)

 春のロンド(Rondes de printemps)は仏蘭西の童謡が素材なんだそう。木管の複雑な旋律の絡み合い、かなり難解な掴みどころのない印象でした。稀に顔を見せる明るい弦、金管の旋律が雲の切れ目、明るい日差しを連想させるもの。アンサンブルは緻密、オケのサウンドは軽快デリケートであります。(8:07)

(2020年7月18日)

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written by wabisuke hayashi