Debussy/Leonardo Vinci/Boccherini
弦楽四重奏曲集(イタリア弦楽四重奏団)


Werner Debussy

弦楽四重奏曲 ト短調 作品10

Leonardo Vinci(1690-1730伊太利)

ヴァイオリンとチェンバロのための12のソロ・ソナタ より「ガヴォット」(Guido Guerrini編)
(以上1946年)

Boccherini

弦楽四重奏曲 イ長調 作品39-8 G.213
弦楽四重奏曲 変ホ長調 作品58-2 G.243
(以上1953年)

イタリア弦楽四重奏団

Warner Classics/Quartetto Italiano - Prima La Musica - EMI Recordingsより

 Quartetto Italiano(活動期間1945ー1980伊太利)の旧モノラル録音。歯切れのよい集中力アンサンブルは世界で絶賛されたそうです。かなり初期のモノラル録音なので、音質はやや曇りがちだけど作品的にあまり気になりません。室内楽は昔の録音でも聴きやすいものが多いと感じます。

 Debussyには夜が似合う。たしかこの演奏がこの作品との出会いであり刷り込みでした。かすかにポルタメント奏法も感じられて、それが作品風情に似合って官能を漂わせます。第1楽章「活き活きと、きわめて決然として」から妖しくも甘い情感漂って、目眩く気紛れな旋律は魅力(5:58)第2楽章「かなり急速に、とてもリズミカルに」はピチカートが忙(せわ)しなくリズミカル、ユーモラスに対話するスケルツォ?(3:28)第3楽章「アンダンティーノ、甘く表情豊かに」は夜想曲でしょうか。そっと耳許に愛をささやくような、吐息のように甘くセクシーなところ(8:03)第4楽章「きわめて穏やかに - きわめて躍動して - 少しずつ動きを付けて - きわめて躍動して、かつ情熱的に」は怪しくも不安定な静謐に始まって、やがてそのまま疾走が始まって明るく終了しました。(7:03)デリケートなニュアンスに充ちた演奏、名曲。

 Leonardo Vinciは名前も初耳、伊太利亜のオペラ作曲とのこと。著名なAntonio Vivaldi(1678-1741伊太利亜)のやや後?同時代の人らしい。牧歌的にシンプル、ノンビリとした三拍子に乗って平易な旋律が続きました。(3:20)

 Luigi Boccherini(1743ー1805伊太利亜)は大好き。Haydn、Mozartなど同世代に比べて作品知名度は落ちるけれど、かなり系統的に聴いているつもり。イ長調四重奏曲はAllgro moderato-Menuetto e Trio-Grave-Allegro Giusto。晴れ晴れとした表情にディヴェルティメント的愉悦もあり、牧歌的穏健のびのびとした旋律が続きます。第3楽章「Grave」の切々たる哀しい情緒は聴きものでしょう。(8:19-3:41-5:38ー5:11)
 変ホ長調四重奏曲はいっそう優雅な風情、Allgretto Lent-Menuetto e Trio-Larghetto Malinconico-Allegro vivo Assai-Finnale。しっとりとした風情に、こちらも第3楽章「Larghetto Malinconico」の詠嘆最高。終楽章の晴れやかな疾走も名曲と思います(Haydnの「驚愕」交響曲第2楽章「Andante」旋律に似ている)(7:05-4:06-4:42-4:43)

(2024年1月6日)

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written by wabisuke hayashi