Copland「市民のためのファンファーレ」「ロデオ」「ビリー・ザ・キッド」「アパラチアの春」
(グンゼンハウザー/スロヴァキア放響)


Copland「市民のためのファンファーレ」「ロデオ」「ビリー・ザ・キッド」「アパラチアの春」(グンゼンハウザー/スロヴァキア放響) Copland

市民のためのファンファーレ
ロデオ
ビリー・ザ・キッド
アパラチアの春

グンゼンハウザー/スロヴァキア放送交響楽団(ブラティスラヴァ)

NAXOS 8.550282  1989年録音 250円(当然中古)

 音楽を自分なりに楽しむとはどういうことでしょう。ワタシは子供の頃から(ジャンルにこだわらず)音楽に親しみ、10歳くらいから「クラシック音楽」と呼ばれる、息の長い、なかなか古臭くならない音楽に親しむようになりました。「レコード芸術」(という雑誌)は既に購読を止めてしまったが、20年以上は愛読していたと思います。貧しかった若い頃はレコード・カタログを穴の空くほど眺め、未だ聴く機会を得ない「究極の名演奏」に思いを馳せたものです。

 やがて時は流れ、ワタシはそれなりの収入のある大人となり(ビンボー症だけは治らない)、CDの価格はどんどん下落し、たやすく様々な音源が入手できる時代となりました。既に十数年のお付き合いなのに「この有名作品、どうも好きになれない・・・」なんて罰当たりなことを考えていると、脳天を直撃するような凄い演奏に出会って目覚めることもあります。それこそが「名演奏」の真価なのでしょう。それは、たしかに存在すると思います。

 でもね、手持ちすべてが「究極の名演奏」である必要はないじゃない。なんかいまいちパッとしないけど、妙に馴染んでいる一枚とか、一般に流布している演奏スタイルとか、テンポとか、重さとかカルさとか、まったく正反対!びっくり!なんかぼんやり〜みたいなCDでもいいじゃないの、と思います。ましてや演奏家の知名度やら、レーベルがメジャーであるかどうか、そんなこと気にする必要はさらさらない・・・(余計な蘊蓄3パラフレーズも稼いじゃった)

 スティーヴン・グンゼンハウザーは初期NAXOSで、レパートリーの充実に貢献したアメリカの指揮者らしい。ま、お国ものですな。懐かしく親しみやすい旋律を誇るCopland作品集としては、出色に贅沢収録を誇る一枚でしょう。瑞々しいオケの響き、鮮明な音質・・・これはぜひ買わなくっちゃ〜ご近所BOOK・OFFで見掛け、即連れて帰りました。250円だし。

 「市民のためのファンファーレ」(「料理の鉄人」のテーマ曲)はともかくとして、「ロデオ」の緩さ、リズムのヘロいこと、いやもうガッカリしますね。もっとキリリと引き締まった、ノリノリでやってくださいよ。こりゃダメだ・・・でも、弦はけっこう潤いがあって美しいし、「土曜の夜のワルツ」は、優美でゆったりしたところはほんまに美しい。やっぱりこうして(このCDに)出会ったのもなにかの縁、よいことろは見つけてあげなくっちゃね。

 でもさ「ホー・ダウン」みたいなユモーラスで闊達な変拍子は破綻しちゃうんですよ、演奏が。アンサンブルの縦の線がヘロヘロに乱れて、妙なユーモアというか、慣れぬことをやっているような不思議な世界。打楽器群は、いやもうこの作品にはかないまへんな、的タドタドしさ有。

 しずしずと明けていく早朝を思わせる開始から爽やかな「ビリー・ザ・キッド」〜幸先良い出だしですね。でも、寸詰まりのような特異な変拍子(バーンスタインによく似てますよね)が出てくると、もう自信なさげな風情が出て来ちゃう。アメリカの音楽から元気を抜いちゃったら、もうダメじゃん。グンゼンハウザーさん、ほんまリズムの切れに問題多い。

 でもね、なんかまったりしてユルユルだけど、オケの響きは「いかにも欧州の田舎風」で悪くありません。だから「アパラチアの春」には似合って悪くない。この作品、旧き良きアメリカの良心、家族で助け合って大草原に生きる・・・みたいな素朴な安らぎと喜びが漂います。「とん!」というか「ぼん!」みたいな太鼓の音色が剽軽、かつ鮮明なる存在感。いやもう大好きな作品だから、少々の不器用さは許しちゃう。

 これが現役のデザイン。番号変わらず NAXOS 8.550282「ふふん」とか笑っちゃいながら、数日間5回くらい気楽に楽しんじゃいました。Beeやんの交響曲だったらそうはいかない。これが作品と演奏の価値だと思います。NAXOSでは初期録音なので現役かな?とおもって検索したら、デザイン変わって現役でした。デザインはともかく、ジャケット表に録音年と収録時間(66’52’’)が明示されて親切でしたね。 (2005年2月4日)

【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi