Bartok 4つの小品/二つの肖像/二つの映像
(コンロン/ロッテルダム・フィルハーモニー/アモイヤル(v))


ERATO 2292-45458-2 Bartok

4つの小品 作品12/Sz.51
二つの肖像 作品5/Sz.37
二つの映像 作品19/Sz.46

ジェームス・コンロン/ロッテルダム・フィルハーモニー/アモイヤル(v)

ERATO 2292-45458-2 1988年録音  1,000円で購入

 2007年再聴です。その後、ロッテルダム・フィルの録音はいくつか聴く機会を得ました。(デ・ワールト、そしてシャルル・ミュンシュの往年の録音など)適度な奥行きと会場残響ある録音、そしてオケのアンサンブルも(華やかではないが)極上だということです。1907-1912年に作曲された(「4つの小品」管弦楽化は1921年)比較的初期の作品だけれど、知名度的に「選曲は地味目」だけれど、魅力に於いて「地味」とは言えないでしょう。シカゴ交響楽団ばかりがBartokの魅力じゃない。「柔らか過ぎて、やや細さ」「音が薄く」「優等性的なまとめ方」・・・現在の耳ではそうは響きませんでした。

 「4つの小品」は、前奏曲-スケルツォ-間奏曲-葬送行進曲から成り立っていて、官能的に美しく、一方で野性的破壊的な個性が顔を出しつつある作品。演奏機会は少ないようだけれど、ブーレーズが何度か録音を繰り返しているから入手可能です。ここでの演奏は「官能的に美し」いほうに重きが置かれて、「野性的破壊的」大爆発方面に至らない。それが不満だ、ということではまったくありません。「葬送行進曲」は悲痛な曲想だけれど、叫ぶ金管さえやや抑制が感じられました。

 「二つの肖像」は、「理想的なもの」「グロテスクなもの」の二部に別れ、前者はピエール・アモイヤル(v)によるヴァイオリン協奏曲となります。清涼で美しく、もし「線が細い」と評するならば、それはソロの印象であり、むしろクールで繊細と捉えるべきでしょう。これって、ヴァイオリン協奏曲第1番の第1楽章と同じですよね?(詳細楽譜の違いはあるのかは知らんが)後者は、民族的かつ破壊的な愉しさに溢れて躍動する作品。けっして「グロテスク」じゃありません。演奏表現も含めて。↓8年前のワタシは何と比較して「力一杯爆発した迫力が、最後まで聴かれません」という判断に至ったのか?

 「二つの映像」は「花いっぱいの中で」/「村の踊り」から成り立ちます。・・・な〜るほどDebussyね、たしかにそんな官能が聞こえる。オケの響きは「地味」かもしれませんね・ホルンの音色がややツマらんのは嗜好問題ですか?充分洗練されて静謐なサウンドの「花いっぱい」。「村の踊り」は馴染みの旋律リズムが大人しい目か?もっと羽目を外して大騒ぎでも良かったのかも知れません。ちょっと欲求不満ありました。

 ロッテルダム・フィルのシェフって、現在はヴァレリー・ゲルギエフでしたよね。きっと粗野な迫力が加わったんだろうな、録音含め聴いたことはないが。

(2007年5月4日)


 Bartokに駄作なし!・・・・だけれど、この選曲は地味目。しかも、コンロン/ロッテルダム・フィルというこれまた地味な演奏家のCD。コンロンは最近バスティーユ・オペラで活躍しているらしい。ロッテルダム・フィルは、まだテイトが頑張っているのでしょうか。(ゲルギエフだったかな?)コンロンの前がジンマン、その前のワールト、更に前のフルネあたりからちょっと録音がありましたね。フォーレのレクイエムは素敵な、しっとりとした演奏だと思いました。

 大昔のミュンシュの「田園」「フランク」を含めても、そんなにこのオケは聴いていません。(まして生演奏なんて・・・・んなこといったらなにもいえないけど)でも、このオケは気のない演奏が多いと思うんですよね。このBartokはわりといいかんじ。

 Bartokは難曲揃いで、オケの力量が問われます。上手いオケばかり聴くつもりはないけど、CSOのBartokが凄いのは事実。この録音におけるロッテルダム・フィルの響きは、軽く透明。アンサンブルも整っていて上品なBartokに仕上がっています。Bartokの音楽は、暴力的な前衛性と民族性が渾然一体となっていると思うのですが、柔らか過ぎて、やや細ささえ感じます。

 「4つの小品」は、肌理の細かい音ながら音が薄く、もっとゴリゴリとした強引さが欲しいところ。「二つの肖像」におけるアモイヤルをフューチュアした楽章は、透明な美しさが際だって聴きものです。

 「二つの映像」における、「花いっぱいの中で」のまるでドビュッシーのような神秘性。「村の踊り」は、やはり大人しすぎる。オケが力一杯爆発した迫力が、最後まで聴かれません。

ていねいな演奏ぶりは、これからが楽しみでしょう。ちょっと優等性的なまとめ方も目に付きますが、期待できるオケの統率ぶりです。

 録音は上質。エラートというレーベルは、どうも「系統的な録音」みたいなものが見えなくて、その後ロッテルダム・フィルの録音は見かけません。(1999年更新)


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written by wabisuke hayashi