クラシック・フェスティヴァル2枚組(これは500円くらいで買ったと思う) PILZ 160343-2
(1)ダンツィ 交響曲ニ短調 作品24よりアレグロ・ヴィヴァーチェ ペーター・ハーン/クアプファルツ室内管
160344-2 この選曲は、はっきりいって適当でしょう。
「クラシック・フェスティヴァル」というから古典的な曲ばかり集めたのか、と思ったら、途中からどんどん雰囲気が変わっていくのがおもしろい。ダンツィやシンディングなど渋いのも並んでいて、著名な作曲家の作品もマイナーぽい作品が並んでます。2時間分飽きさせません。 上記は1998年の執筆。素朴ですね。21世紀を迎えて、PILZのシリーズも滅多に見かけなくなりました。一連の「寄せ集め」2枚組を見ると、音源の豊富さに驚くばかり。できればちゃんとした全曲録音を復活して欲しいもの。(もちろん激安で)上記演奏者のうち、カポヴァは幽霊か。半分くらい演奏者表記がないもの凄い。 Haydnの「A.フィッシャー」とは、てっきりアダム・フィッシャーか?と思っていたけれど、アーノルド・フィッシャーという別人らしい。Mozart の演奏家は「タートゥ(fl)/ヨゼフ・シュナイダー/ザルツブルク・モーツァルト・ソロイスツ」(瞑想のための音楽と同一音源と想像されるため)、Grieg「バラード」はイェシュコ(実在かどうか怪しいが・・・)とのこと。 オムニバスものは馬鹿にされる傾向があるけれど、選曲が凝っている(無定見ではあるけれど)し、演奏者が珍しいし、普段聴く機会が少ない作品に新鮮な発見がありました。久々数年ぶりに取り出したCD中、気付いたことを少々コメント追加。 2枚中白眉はラスト「ツィガーヌ」でしょう。曲がラプソディックで素晴らしいし、演奏は誰かはわからないが、端正な表情で弾き崩しがないのも好ましい。つまり、クサく演奏しないほうが曲の魅力が前面に出るのでしょうか。Rachmaninov のピアノ協奏曲は、遅めのテンポで貫禄充分。「ただ指が回らないだけ?」なんて言われそうだけれど、スケールは存分に大きい(ように聞こえるのか)。 Griegは「ノルウェイ民謡による変奏曲形式のバラード ト短調 作品24」のはずですが、これ18分も掛かるんですよ。「朝」なんかを想像していると、とんでもない濃厚さに驚くべき劇的作品で、ま、ピアノ協奏曲の世界を想像すればそう遠くはないでしょうか。Chopin とLisztを混ぜたような、なんやらとんでもない作品。なぜこんなマニアックな作品が掲載されるか!ありがたい。 Schumannの交響的練習曲(ラストのみ収録)は、彼のピアノ曲の楽しさを再認識してくれました。残響少な目の明快なタッチが好ましい。シンディング (Christian August Sinding 1856-1941)収録もマニアックで、いやはやこれほど可憐で美しい作品も貴重でっせ。(かなり難曲っぽい)ビュンテの「金星」はフツウの演奏。(以上2枚目再聴) DANZY(1763-1826)の交響曲もなかなか出ませんよねぇ。ニ短調のかなり劇的な作風で、なにより演奏が引き締まってよろしい。この辺りの作品は個人的に好みなんです。ミゲル・アルヴァレスによる「トルコ行進曲」にはココロ洗われますよ。(嗚呼、コレ音楽の原点だなぁ。鳥肌立つくらい好きな作品)Beethoven の七重奏曲は、彼の優しい側面が出た佳曲。(全曲聴きましょうよ、やはり) ほか有名どころはともかく、Schubert のワルツはCDも少ないし、3分少々の収録だけれど、これほど可憐な旋律は滅多に存在しないはず。Mozart のフルートと管弦楽のためのアンダンテハ長調K315は、何故か知名度が協奏曲より下がるが、こんな震えるような癒される旋律を聴き逃したら一生後悔!でっせ。(2002年9月1日)
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