ポパ(cl)クラリネット協奏曲集


Molter(1696-1765)

クラリネット協奏曲第1番イ長調

KRAMA'R(1759-1831)

クラリネット協奏曲 変ホ長調 作品36

Rossini

クラリネットと管弦楽のための主題と変奏

ポペスク/モルダヴァ・フィルハーモニー

STORE(1932〜)

クラリネット協奏曲

ドゥンブラヴィーヌ/サトュ・マレ・フィルハーモニック

アウレリアン・オクタフ・ポパ(cl)

OLYMPIA OCD418  $5.99で購入(バブル円高だった頃)

 ルーマニアは例のコマネチ〜チャウシェスク政権崩壊から先、話題になりません。地味な印象の国ですよね。(高知の美人座〜キャバレー?〜には「ルーマニア・ショウ」という演目がある。看板で見ただけだけど)1990年前半に数枚ルーマニア勢のCDを購入したことがあって、我ながら理由がよくわからない。有名なる管弦楽団は存在しないかもしれないが、オペラ・ハウスなど日常的に開かれ、市民は音楽を楽しんでいるらしい。ルーマニア・エレクト・レコード原盤。

 Molter, Johann Melchior(モルター)は1695年生まれだから、パパHaydnさんが1732年、大Bach は1685年誕生か、だからその中間くらい?の作曲家でしょうか。Johannつうくらいだからドイツ系の人?このイ長調協奏曲(全部で6曲あるらしい)を聴いて、ワタシのようなド・シロウトが聴いても即気付くのは「このクラリネット、音がやたらと高い!」ということでしょう。インターネット検索によると「D管」〜ほか「A管」(Mozart が有名)、「B管」などという楽器が存在する、とのこと。

 更に更に受け売りでは「最古のクラリネット協奏曲」ということらしい。ああ、そういえばクラリネットはわりと歴史の新しい楽器みたいで、Mozart の交響曲でも後半になってボチボチ登場でしたもんね。まことに古雅でゆったりとした作品で、モルダヴァ・フィルは残響豊でノンビリ・素朴な味わいがあります。けっこう弦は瑞々しい。ポパのクラリネットは軽快で、明るく、ややヴィヴラートも豊か〜表情はちょっとカタいかな。

 ノンビリ、ゆったり優雅に進んでいくが、演奏の問題か、はたまた聴き手にMozart が脳裏に深く刻まれているせいか、曲が進むにつれて、そのワンパターンぶりに飽きてくるかも〜ごめんなさい。第2楽章「ラルゴ」における、息長く、鋭利な高音はまことに魅力的。ま、珍しい曲ですし、襟を糺して聴きましょう。

 F.KRAMA'R(クラーマー)は1759年生まれだから、Mozart と同世代か。このリズムの躍動は時代の産物なんでしょう。Haydnの屈託なさに、Weberの民族的歌謡テイストを振りかけたよう〜めまぐるしく、明るく歌う旋律の楽しさと言ったら!第2楽章「アダージョ」は一転、悲壮なる表情へ。終楽章「ロンド」はカラダが揺れるような楽しさに、ちょっと陰りも漂って、これはなかなかの名曲でしょう。

 終楽章の細かい音型を聴けば、ポパは相当なるテクニッシャンであることは間違いない。音色がね、ちょっと艶っぽい。独逸系の生真面目なる、まっすぐな色合いとはちょっと違いますね。ちゃんと盛り上がって、喜びに充ちて全曲を締めて下さいます。

 Rossiniの作品は、知名度は低いようだけれど、クラリネットには欠かせないレパートリー。録音もけっこうあります。歌劇「エジプトのモーゼ」と「湖上の美人」の主題による変奏曲だそうで、まさに極上のアリアの旋律。まったり甘い恋の歌を、切々と色気ある表情で〜ちょろり節回しも気が利いて〜クラリネットが切々と歌います。それにしても達者な技巧だこと。

 STOREは現代の作曲家(ルーマニア?)だと思うが、冒頭どんどこ刻むタイコの激しい響きは、まるで1960年代の怪獣映画に出てくる「南洋孤島の住民がモスラの復活を祈る」みたいな、奇怪な叫び。ちょっとカンベンして。第2楽章は「阿鼻叫喚の渦」か。第3楽章は、ちょっと信じられないくらいの細かい音型の連続で、ポパの「腕を披露」のために作られた作品なのでしょうか?

 久々に破壊的な現代作品を聴きました。(2003年4月25日)


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written by wabisuke hayashi