J.S.Bach クリスマス・オラトリオ BWV248
(オベルフランク/ファイロニ室内管弦楽団/ハンガリー放送合唱団)
J.S.Bach
クリスマス・オラトリオ BWV248
オーベルフランク/ファイロニ室内管弦楽団/ハンガリー放送合唱団/ケルテシ(s)ネーメト(a)ムック(t)トース(b)
NAXOS 8.550428-430 1992年録音 3,000円(くらい?高い!)で購入。
ここ最近NAXOSの購入がぐっと減り気味。理由はいろいろあって、近所にあまり揃って売っていない、高い(これはワタシの勝手な言いぐさ〜でも税込みで1,000円超えちゃうとねぇ)、演奏がイマイチ(のもある、ということ)〜というか、もっと安くて注目すべき録音が出てきたりすること、などでしょうか。(自分の音楽に対する冒険心が薄れたこともある)このCDとて、1990年代の前半に購入したはずだけれど、3枚組はもったいない。(2枚で収録可能なはず)
じつはクルト・トーマス/ゲヴァントハウスの「クリスマス・オラトリオ」(1958年録音)を聴いていて、感じるところがありました。ややいかつい表情ながら、誠実で一生懸命、明快で心を打つものがある。音質はLP時代はあまりよろしくない評価だったそうだけれど、奥行きが足りないことを除けば立派なもの。
こちらハンガリーのメンバー(現代楽器と思う)による演奏は、トーマス盤と(ある意味)対極にありました。誰でも気付くのが特異な音質。ブダペストのFestetich城での録音は、かなりのオフ・マイク、残響過多、細部が甘く、音に芯が足りない印象がある。しかし、超優秀録音かも知れません。(ワタシの安物オーディオでは判断できない)奥行きが深くて空間を感じさせます。すべての声部、オーケストラの各パートも溶け合って、雰囲気タップリ、聴いていてけっこう気持ちヨロシ。
トーマス盤に比べると時代の違いか、テンポも早めで軽快です。歌い手の表情もスッキリ気味(とくにテナーのムック)、木管や通奏低音のオブリガートもサッパリとしたもの。技術的に問題はないのだけれど、どことなく流しつつ雰囲気で聴かせたような味わいがある。落ち着きも足りない。トランペットはスムースで聴きやすいが、「Bach ってこんなんじゃないな」という思いが頭をもたげました。
いつもワンパターンの話しだけれど、ワタシは第3部が大好きなんです。冒頭の合唱が「トントントン」とリズムに乗って流れ出すと幸せになります。喜びが溢れます。だから、どんな演奏にも文句言っちゃいけないのかも。ホンマもんの教会で聴くとこんなものなのかも知れません。ワタシは、バッハの素敵なオブリガートなどもはっきり聴きたいし、例えばオーボエの名人芸なんかを明確に感じ取りたい。
ちょっとムーディーな「クリスマス・オラトリオ」でした。LP時代はヴェルナー盤(たしかモノラル)を楽しんでいて、CDに替えたとき最初に買ったのがこれだったんです。文句をつけるなんて罰が当たりそう。ソプラノのケルテシは清純だし、合唱の厚みもなかなか。足りないのは、全体として自由に、かつ軽快にハズむようなリズム感か。だから、どうしても古楽器による演奏を聴く機会が最近多いんです。(2001年11月24日)
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