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CLASSIC ちょろ聴き(32)


TIM  203309-205  10枚組2,360円で購入したウチの一枚Mozart 交響曲第38/39番(アレッサンドロ・アリゴーニ/イタリア・フィル)
全集が安いんです。紙パック仕様で再発売されました。ようはするに「まったり・ゆっくり・のんびりした演奏で、その「緩さ」がたまらない魅力。短い人生、そんなに急いでどこへ行く?的演奏」(ワタシのサイトBBS書き込み)ということです。技術的に破綻しているワケではないが、けっして上手いオーケストラではないし、妙にノリの悪い感じも有。緩叙楽章の絶望的な遅さに耐えられるか、それとも蕩々とした歌と感じるか?という楽しみ方もあります。しっとりとした、瑞々しい味わいはあってバカにできませんぞ。かなりタドタドしいのも事実ながら、昨今の古楽器系軽妙なる演奏に警鐘を鳴らした演奏!第39番メヌエットの典雅な世界を味わって・・・かどうかは聴いてのお楽しみ。ぜひ、購入いただきたい。 (2004年9月18日)

EKLIPS  T1  2枚組1,000円Mozart 交響曲第40/35番(ワルター/NBC交響楽団)(1939年ライヴ放送録音)
これは爆演です。叩き付けるよう激しいアタック、快速、著しく不自然なテンポの揺れ、硬い響き、テンション高く荒々しいアンサンブル。アナウンサーが指揮者名をちゃんとコメントしているから間違いなくワルターだけれど、音源だけ聴いたなら「ウソでしょ」状態。トスニーニのNBC放送録音が出ているでしょ?あの雰囲気によく似ているが、音質(かなり酷い)含めて好事家の世界でしょう。時にゆったりした部分での「ワルター節」は見え隠れします。1995年頃タワーレコードが独自に復刻して、二枚組3,800円で売り出したシリーズ(売れ残ってこの価格で処分となった)より。こういう音源を欲しがる人もいるのだろうなぁ。欲しかったら譲りますよ。Mozart ばかり全4枚有。(2004年9月8日)

Della.inc(CBSの海賊盤)PF-9512 1,000円で購入?Beethoven ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 「皇帝」(グールド(p)/ストコフスキー/アメリカ交響楽団)(1966年)Bach ピアノ協奏曲第5番ヘ短調/「イタリア協奏曲」併録
「異常に遅い」とか「顔合わせが異様である」ということだけ語られ、有名だけれど演奏内容に言及されることが少ないように思える一枚。ワタシはLP時代からお気に入りでした。のものを苦手としていて、これも妙に散漫な演奏だなぁ・・・と〜じつは散漫だったのは聴き手である自分の集中力と、オーケストラ問題(そりゃ、ベルリン・フィルとかウィーン・フィルとはちゃうでしょ、かなり)か。今聴けば、とてもリリカル、まるで第4番ト長調協奏曲のような味わい〜穏健で知的クールな「皇帝」。彼には独自の「ノリ」があって、そのリズムをつかまえられるとちゃんと音楽は楽しめます。細部どこまでも明快で、絶対に流さない。走らない。叫ばない。第2楽章の美しさは、オーケストラも含めて異論は少ないでしょう。淡々、静謐で、声高に叫んだり、色付けを強調しないが、やさしい旋律の粒が霧のように充満します。終楽章は、大きくカラダが揺れるよう(肩を組んで大勢で歌うよう)な、タメのある(しっかりとした)リズムが全体を支配します。けっしてリキまない、アッチェランドなど考えられない。誰より個性的で、細部まで考え抜かれた演奏に追随者は出ていないと思います。(残り2作品も文句なく感動!知的細部のワザに 2004年9月8日)

Victor  PRCD-1368  中古100円Tchaikovsky 交響曲第6番ロ短調「悲愴」〜フェドセーエフ/モスクワ放送交響楽団(1991年録音)
「オリジナル自筆譜による世界初録音」とかで話題になっていたような気もするが、ワタシにはなんのことやら・・・終楽章が「アンダンテ」(=アダージョではない)である、ということくらいか。きっと子供の頃から「悲愴」はクサるほど聴いているが、これほど鮮明な録音を経験したことは初めてのはず。アンサンブルが精緻であること、かなり激しく鳴るオーケストラだけど、いわゆる露西亜風アク(先入観ですか?大昔の)はほとんどなくて、コクはあるが響きは濁らない。第2楽章の粋な表情は優美であり、第3楽章「スケルツォ」だって、速めのテンポ・颯爽きりりと引き締まっております。話題の終楽章は「こんなもんかな」程度のテンポで、むしろ”泣き”ではなく、すっきりとした表情が新鮮でした。全体として、良い意味で現代的な演奏か、とおもいます。優秀なオーケストラですね。(2004年9月8日)

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written by wabisuke hayashi