To CLASSIC ちょろ聴き
CLASSIC ちょろ聴き(17)
Mahler 交響曲第5番〜バルビローリ/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(1969年)
バルビローリのMahler はできれば全部聴きたい、ということで、図書館にありました。おお、これ亡くなる前年じゃない。ずいぶんと醒めた印象の演奏で、いつもながらの「横流れ」重視(つまり、時に縦線が合わない)のまったり、ゆったり風情だけれど、「泣き」がない。例の如しのMahler 的甘い旋律を、ていねいに、慈しむように表現したらこうなった、風演奏で、これはこれで個性的です。NPOはまったく明快。清潔。清廉。潔白。期待の「アダージエット」〜極限に抑えた表情はひとつの理想です。耳元で控えめな愛を、息も絶え絶え囁くような世界。ああ、第3番も聴いてみたい。(2003年4月26日)
Mendelssohn ヴァイオリン協奏曲ホ短調〜シェリング/ハイティンク/コンセルトヘボウ管(1976年)/交響曲第4番「イタリア」コリン・デイヴィス/ボストン響(1975年)
泣く子も黙る名ヴァイオリン協奏曲は、ハイフェッツの印象が強いのかな?Sibelius ではちょっと線が細いか、と思ったが、この繊細さ、ゆったりとした静謐な呼吸には驚くばかり。極上のバックともども、自然体で、余裕で、優雅で、これほど聴き慣れた名曲を新鮮に感じさせて下さる演奏は他に類を見ない。正直「胸キュン」(古い!)演奏。「イタリア」は苦手方面の作品だけど、当然表現・オーケストラの色は異なるが、素朴で暖かいところには一脈通じるものがある。立派な、真面目な演奏。(2003年4月24日)
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