To CLASSIC ちょろ聴き
CLASSIC ちょろ聴き(16)
Mahler 交響曲第1番ニ長調〜C.アドラー/ウィーン交響楽団(1952年)
アドラーはこういう繊細な演奏も出来るから、Brucknerにも個性的な魅力が出るのかな?ていねいに、慈しむように旋律を紡いでいて、弦の細かいポルタメント(コレ譜面に指示があるんですか?)もワザ有。提示部繰り返しも嬉しい。ややゆっくり目で、なんやら味わい深く、噛みしめるような進め方だけれど、粘着質ではないと思う。走りもしない。感覚としては明快方面だけれど、インバルのような神経質な印象はないでしょう。牧歌的な雰囲気さえある。アンサンブルはやや乱れがあり、オーケストラの音色に魅力が不足気味。彼特有のテンポの揺れ、引きずるような個性的ルバートが時に・・・嗚呼、こんな古くさい録音ばかりありがたがって聴いても仕方がないか?(2003年3月14日)
Bruckner 交響曲第6番イ長調〜C.アドラー/ウィーン交響楽団(1952年)
名前しか知らないアドラー(1889-1959年)の興味深い録音。B/M辺りのスペシャリストだったのかな?堂々たる構えで、旋律の呼吸も深い。かなり明快な響き、但し、「間」とか、楽章のラストのルバートとか、かなり見得を切るところもあって個性的。音質は時代相応だし、オーケストラがやや軽量で、薄いのが気にならんでもないが、迫力充分で、けっこう楽しませていただきました。大時代的な「巨匠的演奏」ではなく、感覚的には現代に近いか。初版=改訂版の貴重なる録音とのこと。詳しくは「壁男」のサイトへ。(2003年3月14日)
Shostakovich 5つの前奏曲、3つの幻想的舞曲、ピアノ・ソナタ第1/2番、人形達の踊り〜マーティン・ジョーンズ(p)
NIMBUSに大量の録音を残しているジョーンズの一枚。そこでは散漫で集中力を失いがちの音質に閉口したが、ここでは豊かな音量と、リリカルな味わいがたまらない魅力。テクニックは相当だけれど、空虚さは感じない。録音問題かな?瑞々しい音質。ピアノ・ソナタは暴力的、一方で神秘的な美しさがあり、その他の曲はとつとつと乾いた感情が特異な魅力を作っている。バブル期の「円高」時期に個人輸入したもの。(2003年3月14日)
Beethoven 交響曲第3番/Haydn交響曲第101番〜ホーレンシュタイン/南西ドイツ放響/プロ・ムジカ管(1957年録音ステレオ)
VOXの音質にはかなり泣かされるが、これは相当にマシなほうでしょう。演奏はとくに「英雄」が出色に立派。ゆったりとカタのチカラは抜けているが、幅と奥行きがあって、貫禄の自然体。Beeやんのなかでは屈指の人気曲だけれど、リキみかえっては魅力半減。ロスバウト時代のオーケストラもじつに繊細なアンサンブル。Haydnの方は音もオーケストラ(ウィーン響のこと?)も一段落ちるというか、やや粗さもあるが、やはりツボは押さえて悪くないんじゃないの?(2003年3月2日)
Mozart 交響曲第25/36番(プロ・ムジカ管)Schubert 交響曲第4番(ラムルー管)クレンペラー(1946〜51年録音)
VOX時代のクレンペラー録音は音質はともかく、どれも存分に楽しめます。プロ・ムジカ管とはパリでの録音用オーケストラか、変名か。テンションの高さ、骨太さ、快速で圧倒され、Schubert はいっそう音質は落ちるが、激しさはつのるばかり。「疾風怒濤」風演奏なのは、この時期の流行か?でも、ラインスドルフ辺りとは似て非なる、厚みと貫禄充分。なんとなく音に広がりを感じるが、当然モノラル録音。人にはお勧めできる音質ではないが、慣れでしょうか、ワタシは大丈夫。(2003年3月5日)
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