Chopin ピアノ協奏曲第1/2番
(ジアコメッティ(p)/ビーク/ロッテルダム青年フィルハーモニー)



Chopin

ピアノ協奏曲第1番ホ短調 作品11
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 作品21

ジアコメッティ(p)/ビーク/ロッテルダム青年フィルハーモニー

BEILLIANT 99802/9  1998年録音  13枚組3,390円で購入したウチの一枚

 考えてみればChopin ってあんまり聴かないなぁ。苦手?1990年代初頭にECHO INDUSTRYが海賊盤をいっぱい出してくれたでしょ?1,000円〜のち500円くらいでしたか、そのなかに有名なルービンシュタインの録音がいくつか入っていて、これは痺れました。(誰だ?「気の抜けたサイダー」なんて言うやつは!)

 同じシリーズでアルゲリッチもポリーニもあって、当時のワタシはあまり気に食わなかった。(いまだったらわからない)NAXOSのビレットはけっこう集めたが、演奏に一種クセが強くて途中で買うのを止めちゃいました。ほか、なんやらBOX5枚組!とか、けっこうあるじゃないの。手元には。でも、どうもイマイチなんすっよ〜

 〜と、言いつつまた買うてしまうアホなワタシ。「The Piano Works」13枚。「Complete」と書いていないところが奥床しい。なんせ安い。13枚で高めのレギュラー盤一枚分の価格。看過できません。それと(あまり好きでない)協奏曲のバック〜「Rotterdam Young Philharmonic」こういうのは是非聴いてみたい!

 ちゃんと解説もあって、ロッテルダム・フィルとロッテルダム音楽院のジョイント・ヴェンチャーと書いてありますね。ビークという指揮者は1951年生まれで、デンマーク放響の打楽器奏者をしていた、とのこと。ジアコメッティはミラノ生まれで、両親に従って後年オランダに来たという1970年生まれの若手だそう。ま、ワタシは知名度一切気にしない人なので、ただひたすらに流れてきた音楽を聴くのみでっせ。

 結論。爽やかで新鮮な演奏でした。久々、というか、ほぼ初めてこの曲でココロの琴線に触れたような気がしました。まず、録音が鮮明であること。(これ、けっこう重要)オケは想像よりずっとしっかりとしたアンサンブルで、しっとりと美しい。なによりも、ピアノの初々しい響きに魅せられます。

 ワタシは、そんなにたくさんこの曲を聴いていません。アルゲリッチ/ロヴィツキ/ワルシャワ・フィルの1965年ショパン・コンクール・ライヴ(LASERLIGHT14 061)〜これは魂を揺さぶられるような燃える演奏(怒濤のテンポの揺れ、疾走感)が凄まじい。1975年のツィマーマン/マクシミウク/ポーランド放送交響楽団(VIVACE 203 17981)の演奏は、「まさか18歳!」とは信じられない磨き抜かれた音色を聴かせてくれました。1985年のブーニンはFMで聴いたけれど、一種個性的な「ノリ」に圧倒されました。

 ここでの演奏は正攻法というか、飾らないストレートな表現が、Chopin の美しい旋律をそのまま生かしているような鮮度の高さなんです。ま、高原の清水のような鮮烈さで、きついアルコールをお望みの方には物足りないかも知れません。淡々として、ほとんど恣意的なテンポの揺れも存在しないが、ココロが洗われるような瑞々しさ。

 ロマンツェの表現が出色と思いました。アルゲリッチの完璧な歌心(+ロヴィツキのとことん感じ入ったバックも!)には泣けるが、もっと虚心で、それこそ日本人ならわかる豆腐とか、お米とか、水とか、あの微妙な味わいの世界に近いかも。繊細で、壊れそうなデリカシー。個性不足と評価されるかも知れません。

 旋律に「タメ」がなくて、素直すぎ。熱狂的なノリもアクも、迫力にも欠けます。でも、こんな静かで、美しい世界があってもよろしいでしょう。第2番の印象もまったく同じです。ワタシの求めていたChopin はこんな感じだったんです。(2002年11月22日)


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written by wabisuke hayashi