Chopin  ピアノ協奏曲第1番ホ短調 作品11(中村紘子)


Chopin  

ピアノ協奏曲第1番ホ短調 作品11

中村紘子(p)/フィストラーリ/ロンドン交響楽団

CBSSONY 32DC 281 1984年録音  250円(中古)で購入〜もともと3,200円の国内盤

 これ1984年の発売だから、まだLPが頑張っていた時期ですよね。スリーヴが分厚くて解説もいっぱいだけれど、彼女の録音がバリバリ出ているところを見ると売れ行き好調だったんでしょう。なんせ、団塊の世代のアイドルですもんね。(ワタシの上ですよ、もっと、うんと)女性のファッションは残酷でヘア・スタイルが時代を感じさせます。

 まだ収録がLPに合わせていた時代で、なんとコレ一曲で一枚。40分でっせ。贅沢。しかも(当時)3,200円〜それでも買うのがファンのありがたいところ。アビーロード・スタジオでの録音で、悪い音ではないが、ややこなれていない印象なのは仕方がないところでしょうか。同時に第2番も録音され、演奏会でも好評であったとのこと。

 アバド時代のロンドン響はなかなか美しいし、ヴェテラン・フィストラーリもやや遅めの、しっとりとしたアンサンブルでまとめます。ピアノはスタインウェイ。彼女のピアノを聴くのは(ナマはもちろんのこと)CDでも初めてでした。瑞々しくて、華やか、大輪の花のような艶やかさが溢れます。豊満で、この曲に対する共感も伝わります。

 あとはワタシの純個人的な好みなので、許してくださいね。ピアノの粒立ちがやや粗い気がします。もっと怜悧で繊細な音色が欲しいところで、これは録音の責任かも知れません。細部まで明快を指向していると思うが、細かい下降旋律に、やや急いた印象があって落ち着きと余裕が足りない。

 申し分ない技巧と迫力だけれど、ぜんたいにカタい印象が付きまといます。ツボ、というか雰囲気はとても出ている演奏と思います。でも、猛烈入れ込み興奮型でもないし、冷静超美音型演奏でもない。音色や旋律の歌い回しのウェットさが、ややよけいな重さも感じさせます。カラダが揺れるような感興にもいまひとつか?

 長い活躍と、音楽の普及に対して並々ならぬ努力を傾注されてきたことに、ココロより感謝します。残念ながらワタシは「中村紘子ファン・クラブ」ではないので、少々辛口になっちゃいました。ごめんなさい。存分に美しいChopin であることはまちがいありませんよ。(2002年7月27日)


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written by wabisuke hayashi