Brahms 名曲集(ヴァイオリン協奏曲/交響曲第2番ニ長調)Brahms
大学祝典序曲 作品80 ブッヒャー/ミュンヘン交響楽団/チェルコフ(v)
交響曲第2番ニ長調 作品73
18曲のワルツ集「愛の歌」作品52 PILZ 449260-2 録音年不明 2枚組2,000円で買ったはず(嗚呼もったいない!) PILZの2枚組の中では、なんか実在っぽい演奏家を揃えた良心盤でしょうか。ペシェク、リリング辺りは高名ですが、ブッヒャーは何者でしょう(アブラドーラ・ザ・ブッチャーの遠戚?)ヴァイオリニストのクレジットはなくて、チェルコフはワタシの想像です。ミュンヘン響は実在の団体ですが、序曲2曲と協奏曲は少々音の感じは違っていて、ほんとうにその団体の演奏かどうか怪しいもの。 選曲が渋いお徳用盤で、怪しい演奏の多いPILZ2枚組の中では推薦できる演奏と思います。 楽しい「大学祝典序曲」は、明るく元気良い演奏。いきいきとして勢いもあります。録音のせいか、オーケストラの響きは薄く、奥行きが足りません。アンサンブルもやや荒削り。音色もいまひとつで、聴かせどころのホルンが細かい音形で降りてくるところもぱっとしない。 「悲劇的序曲」は、もう少し落ちつきが欲しいところ。演奏パターンとしては「大学」と似たようなもので、「勢い命」。弦の響きがややヒステリックで、管の音色にも魅力が足りません。 ところが次のヴァイオリン協奏曲が出色。オーケストラの響きに奥行きがあって、ソロパート(第2楽章冒頭のオーボエは透明で美しい)も意外と魅力的で、やっぱりBrahms は音の厚みはポイント。 ヴァイオリン・ソロが期待以上の演奏なんですよ。テクニック的にうんと切れる感じではなくて、第1楽章の冒頭あたりはやや心配させるのですが、なんかけっこうしみじみとした歌わせ方で悪くありません。どちらかというと雰囲気で聴かせるタイプでしょうか。第2楽章アダージョのしっとりとした情感は、泣きも入って絶品。オーケストラとの呼吸もぴったりで、ホルンの響きもよく融け合っていますね。先の序曲とはずいぶん違うアンサンブルの水準。 終楽章の爽やかなスケール感も素敵です。指は回らないようで、旋律の進め方は無骨ですが、かえって音楽が安易に流されなくて効果的。ちょっと最後のほうは息切れしてますが。 ペシェクの交響曲第2番ニ長調は、彼の録音歴から考えても新しい録音(80年代)のはず。記憶違いかもしれないけど、初期NAXOSで見かけたような・・・・。録音は秀逸。 ずいぶんとすっきりとさっぱりとした演奏で、マイナー系怪しげなオーケストラにありがちなヒステリックさはないけれど、響きがやや薄い。適正なテンポで、アンサンブルは緻密。オーソドックスで立派な演奏ですが、コクのあるオーケストラの音色とか個性は不足気味です。全体として大人しい演奏ですが、最終楽章の爆発でようやく満足。
Brahms は合唱曲がけっこうあるらしくて、「愛の歌」はそのなかでも有名な作品のひとつ。(以前、管弦楽伴奏の演奏も聴いたことがある。) (リリングの偉業−Bach のカンタータ全集が個人輸入で格安で手にはいるのですが、悩んでおります。こういうのは悩んでいるウチに売れてしまうんですよね)
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