Bruckner 交響曲第5番 変ロ長調
(フィリップ・ヘレヴェッヘ/シャンゼリゼ管弦楽団
2004年ブレーメン・ライヴ)


Philippe Herreweghe, 1947-白耳義 Bruckner

交響曲第5番 変ロ長調

フィリップ・ヘレヴェッヘ(Philippe Herreweghe, 1947-白耳義)/シャンゼリゼ管弦楽団

2004年ブレーメン・ライヴ/ネットより入手した放送録音  

セッション録音は2008年、こちらライヴの別(放送?)録音、音質はかなり良好といってよろしいでしょう。Bruckner交響曲中、屈指の規模を誇って、神々しいコラール旋律も美しい作品、ワタシはこれが一番好き。古楽器派のワタシもBrucknerをノン・ヴィヴラートで?脳裏にはチェリダッケ辺りが木霊して、前回拝聴途中断念。さっぱりと威圧感のない金管、素っ気なくもタメのない旋律表現、細部見通しの良い”新しい切り口”をしっかり、ラスト迄堪能いたしました。19世紀後半のオケって、こんな響きだったんでしょうか(作曲は1887年)。会場都合や楽器の変化に対応する演奏を否定するつもりもなし。一方、現代主流の分厚い響きとは異なる個性も悪くないもの。第4楽章「Finale. Adagio - Allegro moderato」に第1楽章第1主題回帰して圧巻のフィナーレを迎える感動には少々不足かも。(「音楽日誌」2014年2月)
 ・・・これは6年前のコメント。当時はチェリビダッケに心酔しておりました。DVDに焼いた保存音源を点検していて、なぜか?Bachに紛れ込んだ音源再発見!久々に感銘深く新鮮に拝聴しました。音質かなり良好。版のことはほとんど理解していなのであしからず。”大きな”作品だけど、二管編成なのですね。

 第1楽章「Introduktion: Adagio - Allegro」低弦のピチカート下降旋律は、まるで奈落の階段を手探りに降りて、やがて突如立ちはだかる金管のコラールは巨大なる障壁の出現のよう。しつこく繰り返される力強い第1主題は力強い金管炸裂!この辺りパワーのある華やかなオケで聴きたいけれど、これがかなり丸い、マイルドな響きなのも興味深いところ。先のチェリビダッケとか(この作品に出会った)クナッパーツブッシュ辺りを思い出せば、かなり腰が軽い印象もあります。ライヴならでは、高らかに鳴り渡って疾走する勢いもカッコよく、アツさも技量も充分。(18:26)

 第2楽章「Adagio. Sehr langsam(非常にゆっくりと)ここも弦のピチカートで始まり、木管が静かに、寂しげに参入する緩徐楽章の始まり。やがて弦による副主題は叙情的に魅惑の旋律、古楽器(系)の素朴な音色も魅力的に歌います。いつもとは異なる響きに違和感はありません。力強い情感の高まりも説得力有、主部の回帰は木管とホルン、これがなんとも飾り少ない味わいとこく深さ。足取りは淡々として粘着質表現とは無縁でも素っ気なくはない。繰り返される例の金管の絶叫も、金属的に鋭くなり過ぎないもの。(16:42)

 第3楽章「Scherzo. Molt vivace, Schnell - Trio. Im gleichen Tempo」。Brucknerのキモはスケルツォでしょう。急き立てるような荒々しい金管の爆発、レントラー風の優雅な対比が緊張感を際立たせて、颯爽としてテンポやや速め、テンポの動きも説得力充分でした。ライヴならではアンサンブルの乱れちょっぴり有。それを上回るノリノリの熱気に充ちております。中間部の可憐なホルン、木管もこのオケの魅力でしょう。(11:32)

 第4楽章「Finale. Adagio - Allegro moderato」ここが以前気に喰わなかったところ。第1楽章主題を先頭に前楽章が次々と回想され、やがて巨大なフーガに冒頭の主題が回帰する圧巻の楽章。第1主題が通常よりかなり速めに、スタッカートを強調して躍動し、対比させるレントラーは優雅に足取りも軽く飾りのない雰囲気。やがて金管の荒々しい第3主題登場(第1楽章にインスパイアされたもの)さらに神々しいコラールが登場して、いよいよフィナーレへと続くフーガへ育成されます。金管の音色が慣れているものとはまったく違って、暖かいと云うか田舎臭いと云うか・・・これも個性でしょう。木管も弦も同様。

 いよいよ万感迫るフーガが粛々と登場、往年の巨匠たちはいくらでも雄弁に煽りたいところ。ヘレヴェッヘはかなり速いテンポ(スタッカート強調)に駆け抜けてタメとか間控えめ、以前の自分はそこを素っ気ない、落ち着かないと感じ取ったのでしょう。ラストに向けて、いや増すテンポ、アツく疾走して燃えるようなフィナーレは少々コシが軽い表現か。古楽器オケは鳴りきって、ライヴでは圧巻の感銘演奏なのでしょう。(22:45)できるだけ楽章間は除いてあります

(2020年12月26日)

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written by wabisuke hayashi