Bruch ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調(ムター/カラヤン)


ANF LIVE CLASSIC  LCB-050 Bruch

ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 作品25

ムター(v)/カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー(1982年)

Sibelius

ヴァイオリン協奏曲に短調  作品47

イーゴリ・オイストラフ(v)/ダヴィッド・オイストラフ/ウィーン交響楽団(1972年)


ANF LIVE CLASSIC LCB-050 ( これはいたただきものです。一応定価@1,000)

 ま、なにごとも「後悔先に立たず」〜ANFの超怪しい海賊音源群もいつのまにやら消えました。あとは中古屋さんで探すしかないか。それなりに揃ったとはいえ、やっぱり最終処分時期には全部買っておくんだったな。失敗。

 ちょうどこのサイトを立ち上げた1998年頃が「ライヴ・マイ・ブーム」で、ひたすらライヴばかり聴いておりました。(今でも好き)もとよりアンサンブルの乱れやミスタッチ、会場ノイズ、音質などあまり気にするほうではないワタシ。むしろ勢いとか、会場のざわついた雰囲気が好きなんですよ。これは2曲ともわりとましな音質でちゃんと聴けます。(珍妙なるカップリングだけれど、それもまた一興)

 先頃プレヴィン爺さんと結婚し、(現在は)色気がむんむんするような(容姿)女性ヴァイオリニスト・ムター19歳のザルツブルグ・ライヴ。ワタシはデビュー時のMozart くらいしかCDを聴く機会もなくて、ましてやナマとは無縁だったから実質初耳CDか?如何でしょうか。

 いえね、ワタシBruch ってワリと最近まであんまり好きじゃなかったんですよ。去年(2001年)だったか、ブスタボ/メンゲルベルク(1940年 Hostory 205255-303)を聴いて「!?」状態に。更にはナタン・ミルシテイン/バルビローリ(1942年 Hostory 205636-303)で「!!」迄到達。両方とも完成度は高い。さぁBruch よ、どこからでもかかってきなさい!ってな状態に。

 結論的にはカラヤンのバックが分厚くて、立派(すぎ)。粗っぽくて、投げやりな感じもある。たかが19歳の若い娘に、ここまで意地にならんでも、というくらい叩きつけるように乱暴な部分もあって、驚きます。うるさい。燃えているのかな?録音の加減か、ソロのスケールが小さく感じられてバランスよくありません。

 ムターはやや線が細いが、賢明にのびのび歌おうと努力しているようで、けなげで胸を打ちます。(とくに第2楽章の背伸びした精一杯の呼吸)ま、19歳の未完成さはなくて、但し、音の色気は足りません。ましてやバックが手練手管のド・スケベ風でしょ?それを受け流す余裕はないでしょうが、鮮度はあって嫌いなヴァイオリンじゃありません。

 「若手つぶし」のカラヤンの面目躍如で、協奏曲として一個の完成された作品ではなくて、あくまで「ワタシのオケを聴け」状態か。やや線が細い(この時点では〜その後は知りません)若いソロの生かし方はもっとあるでしょうに。全奏では、音の爆発にソロが埋もれ、静かに歌うべき部分ではカラヤン節になってしまう。

 でも、これはこれでBruch の魅力を発見できました。最近のムターも機会があれば聴いてみたいですね。


 イーゴリは1931年生まれだから41歳の録音。お父さんのほうは1908年生まれだから64歳で亡くなる二年前か。

 手慣れたもんですよ。甘い音色が完成されていて、こりゃ、やはりヴェテランの味ですね。ちょっと蠱惑的な、細かい節回しの味付け、間もあって、いやもう最高です。円熟の世界か。録音の加減かも知れないが、ソロ中心でバックがずいぶんと地味なんです。

 Sibelius の管弦楽演奏には、独特の味というか、色が必要でしょ。父オイストラフはけっこう指揮者としての録音も残っていますよね。ここではウィーン響の責任なのか、遠慮気味というか、先のカラヤンとは正反対の行き方。爆発すべき部分でもわざと抑制しているのか?と思えるくらい地味。

 結果、息子のヴァイオリンは映えます。とにかく上手い。美しい。どこをとっても流したところなどありません。高い完成度。これは掘り出し物です。〜で、もの凄く感動するかというと、そうは問屋が卸さないのが音楽の面白いところ。

 原因のひとつはバックでしょう。なんやら鈍いんですよ。カラヤンの方向が正しいとも思わないが、もう少し涼やかで洗練されたオケであってほしいと思うにはワタシのワガママか。ソロにはやや安定すぎ?燃えるような情熱と、ラプソディを望みたい。そんな名曲でしょ、コレ。でも、なかなか立派で演奏としての完成度は先のBruch より上か。第2楽章など、ちょっと泣けるかもね。(2002年10月23日)


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written by wabisuke hayashi