管弦楽作品集(サイモン・ラトル/バーミンガム・シティ交響楽団)


EMI 7243 5 55394 2 7 Britten

青少年のための管弦楽入門(ヘンリー・パーセルの主題による変奏曲とフーガ)(1995年)
カナダの謝肉祭(1982年)
アメリカ序曲
イギリス民謡による組曲「過ぎ去りし時」
シンフォニア・ダ・レクイエム(以上1984年)

サイモン・ラトル/バーミンガム・シティ交響楽団

EMI 7243 5 55394 2 7

 英国音楽は日本では超・不人気でしてBrittenだったらいっそう支持者は少ないことでしょう。この一枚は管弦楽作品だけれど、声楽作品だったらもっと悲惨です。つまり、オークションにて激安無競合入手可能。これが収録される8枚組ボックス(EMI CZS 5 75792 2)+他Britten2枚+バルビローリの英国音楽他計9枚=オークション送料込5,500円だった記憶有、質問欄で”尼崎迄送料いくら?”と質問したら、どーせ売れないし送料サービスで入札したら即終わらせますよ、とのありがたいお言葉。2008年だったかな?だいたいこの手の話題は激安ボックス再発売で笑い話化するんだけれど、さすが不人気作品群故現役は37枚組壱万円強(手持ちダブり少ないから再購入しても良いけれど)だから、さほどに相場動いておりません。英国アマゾンで輸入すれば安いのかも、調べてませんが。閑話休題(それはさておき)

 Elgar、Delius、Vaughan Williams辺りとは世代も下って最近の人(〜1976年迄存命)だし、Brittenは少々硬派な旋律、有名著名な作品と言えば教科書掲載「青少年のための管弦楽入門」だけでしょう。ワタシも中学生の時、17cmLPを買ってもらった記憶有(ロリン・マゼール/フランス国立放送管弦楽団/小山田宗徳がナレーター/ウォルト・ディズニーの声を担当しておりました)、隅々まで馴染みの旋律であり、ワタシの英国音楽好き原点のひとつ。こうして冷静に聴けばそうとうハードであり、そうそうシンプルにわかりやすい作品じゃありません。変奏は複雑だし、ラスト壮絶なるフーガ、各パートの絡み合いに冒頭主題が回帰するところなどカッコよい!オケの技量が問われる作品です。バーミンガム・シティ交響楽団は好調ですよ、もちろん。

 ここではナレーターなし、純音楽として各パートの妙技(とくに金管が素晴らしい)を堪能いたしましょう。

 「カナダの謝肉祭」は穏健安寧なのか、剽軽ユーモアなのか、つかみどころのないムツかしい作品。「アメリカ序曲」って、キャンディードみたいな賑々しい想像していたら、静謐なつぶやきみたいな開始で肩透かし。Coplandみたいなテイスト+ウエスト・サイド・スートリーのリズムっぽくて、バカ明るい世界とはほど遠い屈折した味わいでした。イギリス民謡による組曲「過ぎ去りし時」作品コメントはこちらを参照←これと同じCDですよね、これ。Vaunghan Williams「イギリス民謡組曲」の親しみやすい世界を想像していたら大間違い!神秘的幻想的な作品であります。第4曲「りす狩り」は楽しげな馴染みの民謡サウンドで始まるが、どんどん崩れて難解に至ります。第5曲「メルボルン卿」のイングリッシュ・ホルンは美しいですね。いかにも憂鬱な旋律だけれど。

 ラスト、「シンフォニア・ダ・レクイエム(鎮魂交響曲)」〜我が大日本帝国には縁の作品也。涙のその日 Lacrymosa (緩やかな、行進風の哀歌) / 怒りの日 Dies Irae (”死の踊り”の形式) /久遠なる平安を Requiem Aeternam (最後の解決) の全三楽章、静謐かつ暗い情感に充ちた開始也。第2楽章は金管を中心とした細かく、激しい音型が印象的、終楽章には安寧が漂います。

 全体としてサイモン・ラトルは緻密精密なアンサンブル、オケも上手いが、ダイナミックなメリハリ熱気、わかりやすいデフォルメにに不足するような印象を(ちょっぴり)持ちました。EMIの録音印象(かなり鮮明です)、我が貧者のオーディオ(ディジタル・アンプ)との相性問題かも知れません。

(2011年7月29日)

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written by wabisuke hayashi